踏込温床
こんにちは。実行委員会メンバーの武藤農園です。
茂木も梅の花が咲き始め、ようやく春らしくなってきました。
ビニールハウスの中では、夏の野菜たちが次々と発芽しています。
いよいよ忙しいシーズンの始まりです。
こちらは発芽したズッキーニです。
こちらはトマト。
でも春になったとはいえ、まだまだ寒いです。
これらの苗たちを育てるには少し暖めてあげる必要があります。
今では大抵の農家さんは電熱線を使用していますが、我々有機農家の多くは踏込温床(ふみこみおんしょう)という昔ながらの方法を取り入れています。
山から集めてきた落ち葉を積み、その発酵熱を利用して苗を育てる方法です。
竹と稲藁で枠を作り、落ち葉を投入。
少し水をかけてかき回し落ち葉を湿らせたら、米ぬかをふりかけます。
足でよくまぜたら水をかけながら踏み固めます。
するとあんなにたくさんあったように見えた落ち葉もペチャンコに。
さらに新しい落ち葉を投入します。
そしてまた繰り返し。
10段くらいまでやると丁度よい高さになります。
あとは枠の藁を切りそろえ、ビニールトンネルを設置すれば出来上がり。
2~3日で温度がグングン上がり、少し下がって落ち着いてきたら種まきです。
種をまいたトレイを温床の上に置いていきます。
こうして霜の心配のなくなる5月上旬まで大事に苗を育てます。
そして翌年役目の終わった温床の落ち葉は外に出し、さらに1~2年かけて分解させ、苗を育てる良質の培養土としてまた利用します。
電気や石油に頼らず、里山の資源と自然の力を活用して熱を出す踏込温床。
たしかに手間は少しかかりますが、このような昔ながらの素晴らしい技術は大切にしていきたいと思っております。