森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】自分にできることで誰かを幸せに-「感謝」と「おかげさま」-【2022冬編③】

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インタビュー中に綺麗な虹が!

森里インタビュー2022冬編第3弾。
今回は自然農園空土ファームの松原さんへのインタビューです!
第3弾となる今回のインタビューでは、松原努(まつばらつとむ)さんの学生時代に記憶を遡り、将来の夢や熱中していたことなど、学生時代の松原さんから、現在の松原さんにつながるルーツ探っていきます!
知られざる松原さんの過去が明らかに!?それでは早速のぞいていきましょう〜!
(前回のインタビューはこちらから)

バンドマンに憧れた学生時代

いつも温厚で人当たりが良く、落ち着いた雰囲気のある松原さんですが、学生時代は長髪で、革ジャンにブーツを履き、Theバンドマンの風貌をしていました。(全く想像がつかない…。)
中学からギターを弾き始め、高校ではなんと学園祭でギターを演奏した経験も!大学時代には吉祥寺のライブハウスで演奏するなど、当時流行っていたハードロックにどっぷりと浸かったイケイケな学生時代を過ごしました!

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現在の松原努(まつばらつとむ)さん
ギターで深まる人とのつながり

そんな学生時代を過ごした松原さんの経験は意外な形で色々な活動につながります。
そのひとつが小学校での「ギター読み聞かせ」です。
ギター読み聞かせ…?なんだそれ?となっている方もいるのではないでしょうか。
例えば、読み聞かせでクイズを出して、クイズっぽいBGMをセルフで弾く、みたいな。まるでギター漫談のような読み聞かせで、とっても愉快ですよね!斬新!
でも松原さんの娘さんはちょっと恥ずかしかったみたい…お父さんやめてよ!って(笑)

また、就農する以前、福祉作業所の有機農業スタッフとして働いていた松原さん。そのつながりで、友達作業所という福祉作業所で開催されたクリスマス会に参加した際も、ギター読み聞かせをしたり、クリスマスソングを歌ったりと、ギタリスト松原が大活躍!
このようにして様々な形でギターを活用したことで、小学校の先生や福祉作業所の方々とのつながりがより深まっていきました。

自分にできることで誰かを幸せに

『自分のやれることをやり尽くして、それでみんなに喜んでもらえれば幸せかな』
ギター読み聞かせをした松原さんの根底にはこの想いがありました。

例えば、坂道でカートを押して歩いているおばあちゃんがいたら、
『おばあちゃん〜助手席乗ってくかい?』と声をかけて助手席に乗ってもらう。
『そうすると、ひょっとしたらそのことだけで、おばあちゃんはしばらく幸せ感がハッピーでいられるかもしれないでしょ??』

初めは声をかけるのに恥ずかしさがあると松原さん。
しかし、自分が周りの人と周りの環境に生かしてもらっていることへの「感謝」「おかげさま」という気持ちを胸に、自分にできることはなんでもやっていきたい、その想いから、そういう時に素直に声をかけられる大人でありたいと言います。

そして、いつまでも「謙虚さ」を大切にしたいと松原さんは言います。
大人や親になると、頭を下げる機会や感謝する機会が減って、いつしか「謙虚さ」がなくなってしまう。松原さんはいつになっても謙虚でいるために、毎日神棚を綺麗にし、これまで代々子孫をつないできてくれたご先祖様に感謝をし、毎日頭を下げています。

このような気持ちから「自分にできることでみんなを幸せにしたい」という松原さんの軸といえる温かい想いが生まれています。
「ギターが弾ける」という松原さんらしさのある特技を生かしたパフォーマンスを通して、たくさんの人を楽しませてきた松原さんは、まさに自分にできることで周りの人を幸せにしてきたと言えますね^^

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想いを語る 松原さん
オーガニックで里山を元気に

そんな松原さんの今後の目標は「茂木有機の会の無農薬野菜を使った学校給食を促進すること」です。
茂木の学校給食に無農薬野菜を増やしていくことは、子育てをするママさんや有機農家さんに良い効果をもたらします。
ママさんにとっては、普段は高くてあまり手が出せない安心・安全な無農薬野菜を給食で提供してくれるのは嬉しいこと。子供の数が減るなど、子育てに関してマイナスな話題が多い中で、とても明るいニュースになるでしょう。
有機農家さんにとっては、学校給食に無農薬野菜が使われているは励みになります。また、野菜の売り先が増えるので生活の安定につながるという効果も見込めます。

総じて、松原さんはいずれこの無農薬野菜が使われる学校給食が茂木町の大きな魅力になると考えています。
茂木を「食」の観点から、子育てのしやすい町に。
そして有機農家さんの活躍の場を拡げ、有機農家さんがより暮らしやすい町に。

無農薬野菜を使った学校給食を促進することは、「茂木町全体を幸せにすることにつながる」と言っても過言ではありませんね。目には見えないけれど、きっと松原さんはこれからもたくさんの人を幸せにしていくのでしょう。私もきっとその1人ですね^^

ぜひ松原さんが出品される無農薬野菜で、みなさんも身の周りの誰かに幸せをお裾分けしてみてください^^

自分が周りの人やその環境に生かしてもらっていることの「有り難さ」への「感謝」、そして、いつどんな時でも感謝の気持ちを心がける「謙虚さ」こそが、松原さんがたくさんの人に信頼され、いろんな人とつながることができる理由なのかもしれませんね。
ん?つながる…?つながるマルシェ…。あ、やっぱりつながっちゃった(構成:西山ゼミ3年 林)

(写真:西山ゼミ4年山田)

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【森里インタビュー】茂木でニホンミツバチをつなげる~作り手の過去からみる~【2022冬編②】

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町井さんが作った鮎の塩焼き
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町井久男(まちい ひさお)さん

森里インタビュー企画2022冬編第2弾。今回は小深地区でニホンミツバチを飼育し、はちみつの販売・飼育方法の指導などを行なう町井久夫さんにお話を伺いました。12月中旬、町井さんは庭で鮎の塩焼きを作りながら出迎えてくださいました。「食べながらね。骨はココにだしな。」私は迷わずお腹をパクリ。すると、「川で採った天然の鮎だからはらわたにこけや石が入っている場合があるから。だから背中からかじるんだよ。」自然体験の経験が少ない私は知らないことばかりです...。川の恵み、美味しく頂きました^_^

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町井さんと出来立ての鮎の塩焼き

町井久夫さんの前回のインタビュー記事はこちらから。
町井さんは“ニホンミツバチが住める里山を育てる会”“茂木日本ミツバチ”の会長も務めています。今回のインタビューは町井さんご自身の事についてフォーカスを当ててお話を聞きました。

町井さんの幼少期

茂木町出身の町井さん。定年退職後、ニホンミツバチの飼育を始めました。現在に至るまでにはどんな過去・思いがあったのでしょうか。

『小さい頃は魚とりが大好きだった。』
『魚とりは晩ご飯のおかずのため。食うためだった。みんな夕方に川に採りに行ったんだ。』
町井さんのご自宅は那珂川沿いにあります。川は絶好の遊び場であり、食料・命の源でもあったようです。インタビュー中に出してくださった鮎の塩焼きも、町井さんが那珂川で捕ったもの。川遊びの経験が少ない私からすると、とても贅沢なものをいただきました。小さい頃から自然のなかで暮らしてきた方の生きる知恵・技術・経験を感じることができました。

『秋になると、山のてっぺんにメジロを捕りにいった。朝、山へ行って鳥黐(とりもち)を置き、チチチと口笛を鳴らす。捕るのが上手い子がみんなにわけてくれるの。』
『大学時代は山岳渓流に熱中した。岩に隠れている幻の魚“イワナ”って知ってる?今は放流されているけど昔は奥の方に行かなきゃいなかった。』

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にっこり笑顔の町井さん

町井さんの生活のなかには常に身近に自然がありました。大学卒業後は東京の電気系の会社に就職。その後茂木に戻り、警察試験を受けて地元で警察官になりました。そして定年を迎え2年後にニホンミツバチの飼育を始めました。
意外な職歴に驚きましたが、にっこり笑顔が素敵なお巡りさんだったのかなとなんだか想像が付きますね。

ミツバチの貢献度

人間の食べるもの(家畜や魚類を含め)の90%はミツバチの貢献のおかげであることをご存じでしょうか。その貢献度のうちニホンミツバチの割合は60%。セイヨウミツバチは30%。残りの10%はハエやアブなどの昆虫類によるものです。ニホンミツバチは山・森を豊かにし、そこから流れ出す水・川の栄養分は魚類の生育を支えています。また、家畜の餌となる穀物を受粉させ、実を結ばせているのはミツバチなのです。

ニホンミツバチを将来のこども達のために残してあげたい。ミツバチが全滅してしまうと花粉の媒介をしてくれる存在がいなくなってしまう。そうなると森が汚れ、川が汚れる。』
幼少期から川や森で遊び、自然を感じ、魚を食べ、その恩恵を受け生活していた町井さんだからこそ、ミツバチの貢献の重要性を感じているようです。

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二ホンミツバチの巣箱(寒さを防ぐために段ボールを巻いている)
町井さんの知恵と経験・ニホンミツバチをつなげる

『目標はニホンミツバチの飼い方・ニホンミツバチの良さを教えていくこと。』
町井さんは知識が全く無い状態でニホンミツバチの飼育を始めました。ミツバチを飼い始めた時は無我夢中だったといいます。蜜のとり方もわからない。文献や本を読み独学で飼育を学び、茂木の環境に適した飼育方法を試行しました。ニホンミツバチの飼育方法は地域や周囲の環境によって微妙に異なるため、必ずこれという教科書はないようです。そこで、町井さんはご自身の経験を活かしニホンミツバチの飼い方・ニホンミツバチの良さを教えるために“茂木日本ミツバチ”の会を立ち上げ、年間約150人程度の会員に飼育方法の指導を行なっています。茂木町のなかでも、山の中と外、日陰と日向で飼育方法が異なるようです。

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インタビューの様子

町井さんは、穏やかでありながら信念を持ち、里山の未来・子どもの未来のためにニホンミツバチをつなげています。
『初めて蜜をなめたとき、感動した。』
町井さんの努力・愛の結晶はどんな味がするのでしょうか。町井さんの人柄を含めて、マルシェに出品されるはちみつを愛していただけたらなと思います。

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目の前で話しかけられているような・・・感じ??

今回の記事は、話し手の雰囲気がより伝わるように、はなし言葉をそのまま書き起こし文中に入れてみました。まるで、町井さんに目の前で話しかけられているような感じ、しませんか??(構成:西山ゼミ3年鈴木)


(写真:西山ゼミ4年山田)

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【森里インタビュー】竹粉を使った養鶏から地域循環を生み出す~人の輪から地域の持続可能性を~【2022冬編①】

森里インタビュー企画2022冬編第1弾。
第1弾は養鶏を営む中村農園の中村さんへのインタビューです!
今回が第3回目となる中村さんへのインタビューでは、中村愛(なかむらあい)さん自身にスポットライトを当て、生い立ちから農業を始めたきっかけ、そして中村さんの今後の展望や目標などをお聞きしました!中村さんという1人の生産者・1人の人間に迫るインタビュー内容となっております!ぜひご覧ください!それではいってみましょう〜!
(前回のインタビューはこちらから)

動物好きな中村さん

子供の頃から動物が好きだった中村さん。インコやニワトリ、猫などたくさんの動物に囲まれて育った幼少期からその気持ちは高校入学時まで変わることなく、動物関係の仕事をしたいと思い、農業高校に入学。生物工学を学び、高校卒業後は食品会社に就職しました。その後、高校時代からお付き合いしていた旦那さんと結婚し、「子育てできればいいよね」という気持ちで9年前に茂木に引っ越してきました。

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中村さんとにわとり
養鶏を始めたきっかけ

そんな中村さんが養鶏を始めたきっかけは、竹を粉状にして乳酸発酵させ、エサに混ぜたり、肥料にしたりして利用する「竹粉(たけこ)」を使った養鶏を繋いでいこうという想いでした。中村さんの旦那さんが以前からお仕事でお付き合いのあったまほろば農園の仲澤さんという方から教えを受けながら、使う人がいない竹粉を繋いでいきたいという気持ちで、5年前、養鶏に関する知識も設備も何もない状態から、鶏にストレスがかからないようにと、鶏舎の内側から外を見ることができるように設計したこだわりの鶏舎を、なんと旦那さんが一から手作りで作り上げ、その心のこもった手作り鶏舎から、中村農園の養鶏が手探り状態でスタートしました。

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こだわりの手作り鶏舎
竹粉とは…? 地域理解を得るために

竹粉の良いところは、エサに混ぜることで鶏の腸内環境が良くなるとともに、家畜の匂いを抑えられるという点と、竹林の侵食が進む里山における竹の有効利用ができるという点、そして町内の竹を利用し、町内で竹粉に加工し、町内で利用するという「地域循環」が発生するという点であるとおっしゃいます。私も鶏舎を見学させていただきましたが、その際、一緒にインタビューを行ったもう1人の学生と思わず顔を見合わせてしまうほど、匂いがしませんでした…。
この匂い問題は、近隣の地域住民の方々も気にするところだったそうで、養鶏を始める際に「養鶏は匂いがきついからやめてほしい」という声もあったそうです。そうした中で、匂いの抑えることのできる竹粉を飼料に用いたことは、地域理解を得るためにはとても有効でした。

始めたての頃の話 人の輪の大切さ

初めから一気に50羽を飼育することになり、たくさん卵を生むけれども売り先がなく、自分では道の駅と週2回JAの直売市に出品する程度で、仲澤さんが売るお手伝いしてくれました。そんな中、売り先が広がるきっかけとなったのが、この森と里のつながるマルシェへの参加でした。そして同時にそれは地域の方々との輪が広げるきっかけでもありました。売り先だけでなく、お裾分けをし合うような仲間ができ、人の輪が広がっていくことを実感し、充実した日々を送っていました。その矢先、コロナウイルスによる未曾有の事態が発生。その影響により対面でのマルシェは開催できなくなり、道の駅も閉まってしまったため、売り先が少なくなり、売り上げが下がってしまいました。そして対面でお客さんに自分の想いやこだわりを伝えることができ、そしてお客さんの定着が見込める場であるマルシェがなくなったのもとても大きな痛手でした。
しかし、このコロナ禍がかえって「今までの経営を振り返り、目先だけでなく長い目で物事を見る」ことの大切さに気づく良い機会になったとおっしゃいます。「地域循環と地域の持続可能性を今一度考え、長い目をもって、より良い経営をしていくためにもっと本を読み、実践していくこと」これが今後の目標であると言います。

自然と仲間が増える町 茂木

茂木は「自然と仲間が増える町」であると中村さんは言います。にわとりが鶏舎から脱走した時や、養鶏を始めたてで何もわからない時、近所の方々は温かい目で見守り、手を差し伸べ、応援してくれました。そして、マルシェでつながることのできた生産者の方々とも、コロナ禍でお互いに大変な状況にあっても手を取り合い、助け合うことができました。とにかく人が温かい。そのことが中村さんの言葉の端端から伝わってきました。
このような人の輪が個人同士から地域、町の規模へと拡大していくことこそが中村さんのおっしゃる「地域の持続可能性」を高め、「地域循環」を助長するのではないのでしょうか。

最後に

卵の殻の色はにわとりの羽の色で、卵の黄身の色は食べるものによって変わるってみなさん知っていましたか?私は初めて知りました!おもしろいというか不思議ですよね…。ちなみに、平飼いなのでカエルや虫も食べるそうです。カエルを食べたら黄身はどんな色になるか、気になりますよね〜。カエルを食べるとにわとりの体つきが良くなるだけで、黄身の色の変化には影響を与えないらしいです!生命の神秘とでも言うのでしょうか、すごいですよね…。
私たちが普段何気なく口にしている食材がどんな過程を経て、私たちの口に運ばれているのか、知らなくても何も困らないけれど、そういったことを知ることで何気なく行っている食事も日々の楽しみの一つになるのではないかな〜なんて中村さんのインタビューを通して思いました!
竹粉で育った鶏の卵の黄身の色は一体何色になるんでしょうね〜?ぜひお手にとってご自身の目で確かめてみてください^ ^

また、里山において深刻な問題の1つとされる竹林の侵食を、竹粉という有効的な使い道で解決していくという話もとても興味深かったですね。
そして「農業高校で学んだことが今になって気づいたら生かされている」と中村さんがおっしゃっていたことも印象的でした。昔、何気なくやっていたことが、実は今と強くつながっている、ということを体現しているのがまさに中村さんだなあと思います。

今、私が大学で学んでいることも、インタビューでお聞きしたお話も、このインタビューを通してできた人の輪もいつか何かにつながればいいな〜なんて思いました!何かにつながる…?あれ?つながるマルシェ…。ってそういうこと!?(構成・写真:西山ゼミ3年林)



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【森里インタビュー】売買だけじゃない。帰ってきたいと思う、帰ってこられるマルシェを目指して  宇都宮大学農学部西山先生【2021秋編⑧】

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「No Farms No Future」のステッカーを掲げる西山先生と学生3人

今回も、新しく森と里のつながるマルシェ実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの3年生3名が執筆いたします!どうぞよろしくお願いいたします!

2021秋編第8弾目となる今回は、第7弾に引き続き、宇都宮大学農学部で食と農の視点から地域社会について研究されている西山未真先生にお話を伺いました。今回は、西山先生・西山ゼミが森と里のつながるマルシェとどのように関わってきたのか、マルシェをどのような位置づけで考えているか、をお聞きしました。

西山先生・西山ゼミと森里マルシェの関わり

現在は学生も実行委員会に関わらせていただいていますが、最初からこのような形だったわけではありません。最初のきっかけは、元々関わっていた知り合いの先生に声をかけられ「ゼミの生徒と行きます!」と2017年春の開催時(その頃は対面での実施)に西山ゼミでお手伝いに行ったのがはじまりです。参加1年目は、それぞれの農家さんに学生が付き、販売のお手伝いをしていました。しかし、もっと違う関わり方ができるのではないかと思い始めます。西山先生・ゼミの目的である「地域の資源に注目した小さな農業の価値を研究する、伝える」という森里マルシェとも合致するテーマがある事を、もう少し違う関わり方をして伝える場にしたいと考えるようになりました。マルシェにも貢献し、自分達の研究や思いも発信したいという気持ちがありました。

2018年からは、西山ゼミ考案の「参加型アンケート」を実施します。1つのブースをお借りし、日本地図を用意しどこから来たか、性別、何が楽しかったなど、シールを貼って貰うことで楽しみながらご回答いただけるように工夫したものです。紙を渡し、記入してもらう形式はなんだか森里マルシェの雰囲気と合わないですもんね。協力して頂いた方には、「No Farms No Future」のステッカーをお配りし、西山先生・ゼミではこんな事をしているんですよと発信も合わせて行いました。(今回のオンラインマルシェでご購入頂いた方にもお配りする予定です。どうぞ、携帯やパソコン、車などに貼ってください(^ ^)。また、アンケートにもご協力頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。) 参加型アンケートを行った事で、地元の人は来ないだろうと予想していたマルシェですが、「意外と茂木町の人も参加している、このような活動に興味があるんだ」という事がわかり、地元の人向けの情報発信をしようと活かすことができました。マルシェの運営に貢献し、自分達の理念も発信できるような、そんなマルシェとの関わり方へと変化しました。

新型コロナウイルスが流行した2020年は、人数制限をかけた内々の開催となりました。少人数だったため、ロウソク作り体験や実際に農場を回るなどの体験イベントが可能となり、学生はお手伝いをしながら、参加者としても体験をさせていただきました。その際、実際に茂木町の自然や文化に触れたことで刺激を受け「学生の我々も何か出来ることがある」と思い、2021年から森里マルシェ実行委員会に本格的に関わらせて頂くことになったのです。現在はオンラインマルシェの運営や情報発信、広報をメインにマルシェ実行委員の皆様と協力して、森と里と人のつながり、茂木町の資源・文化を盛り上げようと活動しています!!

なんとなく、西山先生・西山ゼミと森里マルシェの関わりを知っていただけましたでしょうか??(鈴木)

紆余曲折した過去と今後の展望

このように様々な工夫を凝らし、関わりを深めてきた西山先生・西山ゼミと森と里のつながるマルシェですが、全てが順風満帆に進んできたわけではありません。
2014年から始まった森と里のつながるマルシェは2017年に最盛期を迎えます。ここからもっと頑張ろう!そう意気込んでいた矢先の2018年、今までマルシェに積極的に関わっていた実行委員の有機農業者の方々が様々な理由で離農し、実行委員を辞めていきました。せっかくここからって時だったのに、西山先生はとても落ち込みました。

しかし、これまでの活動でこのマルシェの存在が一定の認知を受けました。では次にどうするか。他のマルシェとどう差別化するか。そこを考えるのが今であると西山先生はおっしゃいます。
そこで先生は、マルシェの場を私たち学生のやりたいことをできる場として積極的に活用し、新たなアイデアでこのマルシェを盛り上げて欲しいと言います。
そして同時に、かつてこのマルシェの運営に中心として携わっていた方々が快く戻ってこられる場所を作りたいともおっしゃいます。

「マルシェはモノを売り買いするだけの場ではない。情報を交換したり、自分のことを表現したり、地域のことを考えるきっかけ、地域と深く関わるきっかけになる場である。」
西山先生は「みんなが帰ってきたいと思う場所であり、みんなが帰ってこられる場所」をつくろうと尽力されています。

私たち学生がこのマルシェで自分のやりたいことに挑戦し、盛り上げることで、その結果として西山先生の目指すそういった場所をつくるお手伝いになればいいなと思います。(林)

モノだけでなくコトを交換するマルシェ

グローバル化は効率的であることから農業でも盛んに行われています。食と農の距離が離れることで農業に関心を持たない人が増加し、地域の文化が失われつつあるのが現状です。このような「グローバルフードシステム」の対義語として「ローカルフードシステム」がありますが、これは決して地産地消を推進するだけではありません。子どもの貧困や高齢化といった社会問題を解決する農業システム全体を指します。このローカルフードシステムがグローバル化で離れた食と農の距離を縮め、地域社会の抱える問題を解決する手がかりになると西山先生は考えています。
マルシェ(市場)はモノを売買する場でもあり、情報交換の場でもあります。それはマルシェが顔の見える関係であるからです。

だからこそ、マルシェは地域と深く関わることができ、西山ゼミの学びや想いといった情報を直接発信できることに最適な場であるのです。(小林)

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自身の想いを熱く語る西山先生

今回のインタビューでは、西山先生がマルシェと関わるようになったきっかけから現在に至るまでの歴史、そして西山先生のマルシェへかける想いと今後の展望についてまとめました。
私たちが普段何気なく口にしている食材には様々な背景があります。どこで生産されたのか、どんな栽培方法が用いられたか、生産者の方がどんな想いを込めて育てたのかなど、きっと知らなくても困らないけど、そういった背景があることを知ることで日々の食事がただの栄養摂取から「人生を彩るもの」になると思います。
そうした中で、マルシェの役割は地域活性化や経済的なメリットだけではなく、こういった心の豊かさを養う素敵な場であると考えます。
みなさんもぜひ一度マルシェに参加してみてはいかがでしょうか^^
(構成:林 写真:山田)


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【森里インタビュー】"No Farms No Future"半農半研究者として  宇都宮大学農学部西山先生【2021秋編⑦】

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西山先生と3年生

今回も新しく、森と里のつながるマルシェ実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの 3 年生 3 名が執筆いたします!!どうぞよろしくお願いいたします。 上の写真に写っている「No Farms No future(農業のないところに未来はない)」という言葉は、西山先生が海外に調査に行った際に目にし心惹かれ、それから西山先生の研究理念を発信する際のキャッチフレーズとなりました。手に持っているステッカーはゼミの学生がデザインしたもので、この言葉に賛同してくれる人にお配りし、理解を広めています。

2021 秋編第7弾目となる今回は、宇都宮大学農学部で持続的な社会や女性の参画など多岐にわたる社会問題を農業の視点から研究されながら、森里マルシェ実行委員のメンバーでもある西山未真先生に、なかなか知ることのできない先生ご自身の事に注目してインタビューを行ないました。
西山先生は 2020年に益子町に移住し、最近は研究の傍ら自宅で農業をはじめ、半農半研究者として自分らしさを大切に生活しています。そんな先生の農ライフを3名の学生の視点から、少し時間を遡りながら覗いてみましょう。

「高校卒業後大学に入学しましたが、やりたいことが見つからず、消極的な自分にもどかしさを感じていました」そんな西山先生はそこからどのように農業経済学と出会うのでしょうか。

農と自分自身のつながりを知った学生時代

講義で公害のブーメラン現象 *1を学んだことが、農業経済学に関心を持つきっかけとなりました。公害のブーメラン現象から農業問題が自身に直接かかわることだと気づき、これまで遠い存在と感じていた農業をもっと知りたいと思い大学院進学を決意しました。      
修士・博士課程はやりがいがあって楽しかった」と先生は語っています。フィールドワークを重ね、時には泊りがけで調査を行ったそうです。机上では人の温かみや地域性に触れることができません。

先生がゼミでフィールドワークに積極的なのは地域の現状を調査しながらその副産物として講義では味わえない人と人との交流を体感できるからでしょう。 (小林)

藍と綿から! 女性農業プロジェクト

西山先生は移住後、森と里のつながるマルシェを通して出会った女性 2 名と共に女性農業プロジェクトを立ち上げ、里山暮らしを楽しんでいます。このプロジェクトは立ち上がったばかりで試行錯誤を重ねている最中ですが、西山先生ら 3 名は藍と綿の栽培に励みます。なぜ藍と綿なのか尋ねたところ「藍と綿は収穫後、お茶・リース・糸などへの加工の幅が広く、色んな手仕事につながるから」と仰っていました。また「心身にハンデを持った方々の自然に触れながらの手仕事の場にもなる」と様々な立場の人の手仕事の場としての可能性も展望しているようでした。

西山先生自身が里山生活を送り、半農半 X という新しい生活スタイルを選択しイキイキしている姿をみて、西山先生は講義中だけでなく実生活も農に生き、自分らしく生きている女性なのだと感じました。

私も将来は西山先生のように農業をしながら自然と共に暮らしたいな、なんて想像を膨らませています。(鈴木)

地域と深く関わるために

西山先生は現在、この森と里のつながるマルシェや子供食堂などの活動を通じて、茂木町、益子町と深く関わり、地域の課題を見つけ、改善することに尽力しています。また、研究者としてもこれまで全国各地様々な地域を巡り、調査をし、その地域と地域に住む方々との関わりを持ってきました。そのようにして様々な地域との関わりを持ってきた西山先生が、地域の方々と関わる際に何を大切にしているか、を聞いてみました。

西山先生が大切にしていることは「『自分のため』を通して『地域のため』になることをする」ということです。自分のために何かをして、それが結果的に地域のためにもなったらそれは理想的であると先生はおっしゃいます。自分と地域の目的・目標が一致、もしくは同じ方向を向くと、それは必然的に達成される。そのため「自分の目的・目標をはっきりさせること」も大切であるとおっしゃいました。
そしてもう一つ大切なことは「地域の問題は自分の問題でもあるという、当事者意識を持つ」ことです。自分もその地域に住む1人の住民であり、その地域を構成する一員であることを意識することで、自分の住む地域の課題や良いところをより身近に感じることができるのではないでしょうか。

私たち西山ゼミの3人は、この先いろんな地域に出向いて調査をし、地域の方々と関わりを持つ機会が増えていきます。西山先生と茂木町・益子町の関係のように、私たちも地域と深く関われるよう、まずはこの森と里のつながるマルシェから私たちの歩みを始めさせていただければなと思います。(林)

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インタビュー風景

今回のインタビューでは、1 人の人間としての西山先生を覗かせて頂きました。インタビュー後、綿畑を拝見しましたが西山先生はまるで少女のような笑顔で綿を手に取り、「こんなのが成るんだよ!ほんとにすごいよね!」と見せてくださいました。先生と生徒の垣根を超えて、これからはもっと仲良く、農について学んでいきたいです!!
(構成:鈴木 写真:山田)

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*1:日本では無認可の農薬を使用して途上国で農産物を生産し、それが日本に輸入される現象。

【森里インタビュー】想いをつなげる、想いがつながる 「空土ファーム」松原さん【2021秋編⑥】

今回から新しく「森と里のつながるマルシェ」実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの3年生3名が執筆いたします!!どうぞよろしくお願いいたします。

松原さんへのインタビュー第二弾!
今回は宇都宮大学の三年生、小林、鈴木、林の3人による初インタビュー記事です!前回のインタビューの記事はこちら!
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続く食育をめざして

松原さんは埼玉県での有機農家研修後、福祉作業所で1年間ハンディキャップのある方々と有機農業スタッフとして交流しました。この経験が松原さんの食育活動の原点です。「子どもたちは楽しくなければすぐに飽きてしまう、ハンディキャップのある方や引きこもりの方たちも週に1回かもしれない貴重な外出が楽しくなかったら苦しいよね。」異なる年齢や環境でも飽きずに農業の楽しさを感じてもらうために松原さんは2つのことを心がけています。それは「アプローチの仕方を変えること」と「松原さん自身が楽しむこと」です。畑作業だけでなく調理したり軽トラックの荷台に登ってみたりと視点を変えることでまた参加したいと思わせる工夫をしています。実際に小学生を対象にしたポップコーンの栽培では収穫した種のいくつかを来年の児童のために残し、残りを最後に調理して参加児童で食べることで食のありがたみと農業を後世に繋げる昔からの生命システムを学ぶことができました。また、松原さん自身も楽しむことで食育活動を行うモチベーションとしています。

聞き手:宇都宮大学西山ゼミ3年 小林

“生かされていること”に感謝して

私は、松原さんに「森と里のつながるマルシェにかける思い」について伺いました。
松原さんは森と里のつながるマルシェ準備会発足当初(2014年)から関わっている方のお1人です。その3年前の2011年は東日本大震災があった年です。震災を経験し自分達の生活がガスや化石燃料に頼りきりであることを痛感し、本当にこのままで良いのかと考えるきっかけになったといいます。松原さんは“自分達は今、生かされているんだ”ということを実感し、自分自身・一日一日を大切に、生かされている自分にできることをして、その感謝を伝えていきたいという思いがあるそうです。
松原さんは、茂木町の継承されてきた里山文化、食・生命の繋がり、人と人との繋がりをマルシェを通して皆さんにこれからも伝えていきます。

聞き手:宇都宮大学西山ゼミ3年 鈴木

松原さんが今大切にしていること

松原さんがこの活動をする上で何を大切にしているのか、この内容について私の中で特に印象深く残ったので、感想がてら今一度執筆させていただきます。

まず「自分の命を大切に大切に生きる」をモットーに日々生活しているということ。
東日本大震災をきっかけに始めたマルシェの活動。「亡くなられた方の分まで大切に生きたい。その日その日を大切に、何か一つでもできることをしたい」と目頭を熱くしておっしゃられる姿に私も目頭が熱くなりました。
「自分ができることはどんどん受け入れて、自分にできることは出し惜しみしない。」その気持ちの根底には社会を良くしたい、幸せや笑顔を増やしたいという想いと、その日その日で何か一つでもできることをしたいという強い信念があります。

また「生かしてもらっていることに感謝すること」が大切であるともおっしゃいました。
農地も里山も文化も、前の人がいて今がある。そのことを伝えていきたいと。そのために小学校では、「作り、食べるまで」ではなく「作り、食べ、全部食べないで、次の学年の生徒たちのために種を残す」ここまで考え、「つないでいく」ことを大切にしています。

こうした松原さんの想いを「つないでいく」ために、私たちも「出し惜しみすることなく、自分にできることをどんどん受け入れていく」姿勢でありたいと思います。

聞き手:宇都宮大学西山ゼミ3年 林

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インタビューのあとは仲良く肩を組んでポーズ!

(編集小林 撮影山田)


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【森里インタビュー】あたたかな里山で、つくる‘‘よろこび‘‘の共有を  磯部さん【2021秋編⑤】

森里インタビュー第5弾。今回はお菓子を出品する磯部なおみさんだ。森里マルシェ実行委員の熱い想いにふれ、出品を決めた彼女はどのような想いを抱いているのだろうか。

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手前:インタビュアー(菊池) 奥:磯部なおみさん
愛情と熱意に応えたい

細い道をゆっくり進む。磯部さんが住む古民家は里山の自然にマッチした、あたたかな雰囲気のある素敵な空間だ。旦那さんと1匹のワンちゃん、3匹の猫ちゃんと磯部さんは暮らしている。旦那さんが改修を行った工房にお邪魔させていただき、出品予定のお菓子ついてお話を伺った。

「松原さんのところの米粉つかった米粉クッキーと琥珀糖の詰め合わせをだそうと思っています。琥珀糖に使う素材は決めていないけれど、旬の素材を入れる予定です」
森里マルシェには立ち上げから関わっていたが、最近は自身の仕事の関係もあり、実行委員や出品者として関わることはなかった。オンラインマルシェへの出品の声がかかった時も一度検討した。「私はSNSを通した販売も行っていて。販路はできているので、マルシェはそういった(個人でオンライン販売する)ことが苦手な人優先で出品してもらいたい、と話していました」気持ちに変化をもたらしたのは松原さんの熱意だという。「けど松原さんから茂木に対する愛だったり、情熱がすごく伝わってきて。想いがなければできないことだと思う。私もその想いに応えたいと思って出品を決めました」

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米粉クッキー

優しさとあたたかさ

磯部さんは元々北海道のご出身。旦那さんも県外の方だ。生まれ育った土地ではない茂木、けれど住むことに不安はなかった。それは茂木の人々の“あたたかさ”があったからだ。「みなさん温かく見守ってくださっていたと思います。徐々にお菓子交換をするようにもなったりして…打ち解けるようになりましたね。茂木はすごく居心地のいいところだなと思います」ご近所づきあいはどうだろうか。「ご近所の人ともほどよい距離感で接しています。なかには話をしない人もいるけれど…それも含めてこういう土地での暮らしだなって思う」茂木の地で生きていくということ。様々な人に触れる中での暮らし。新たな挑戦も始めた。はちみつだ。

「普段は町井さんのはちみつを(お菓子に)使っているけれど、自分で採ったはちみつを使ってみたいと思って。去年の春から始めて今回初めて絞りました。」ミツバチについて教えてくれたのは森里マルシェでもおなじみの町井さん。近所のお父さんもミツバチの面倒を見てくれるそうだ。「楽しんでいる地元の人の存在はありがたいです。松原さんも町井さんも、近所のお父さんおばあちゃんも。やさしさと愛がある」

垣根を越えて つくるよろこびの共有を

「これからは子供たちに関わっていきたいなと思っています。一緒にお菓子作りをしたい。今まではあまりなかったけど…。ふとやりたいなと思ったんです。知り合いの子と接しているときにそう思いました」子供たちと関わる中で伝えたいこと。それは単なる知識だけではない。「日々、旬の素材や野草をお菓子にするよろこび。作る工程こそが楽しみなんです。例えば大福を作っているときの感触…。知識よりも匂いや手触りなどの五感を伝えたい」
つくる喜びの共有。その輪は広がっていく。「ゆくゆくは子供たちだけじゃなく、垣根をこえて関わっていきたいです。何をやっているかとか、健常者かどうかとか関係なく。集いをしたいですね」
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里山のあたたかな陽だまりの中で、暮らしと日々は続いていく。
(文・構成:菊池 写真:山田)


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