森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー①】里山を元気に!空土ファーム松原さん

自然農園空土(くうど)ファームを営む松原努さん。少量多品目の有機栽培に取り組む傍ら、食育やマルシェへの活動も積極的だ。里山茂木人の中心人物である彼は、どのような想いを抱いているのだろうか。

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空土ファーム 松原努さん
いざ行かん小宇宙へ

6月某日、私たちは松原さんの畑におじゃました。
松原さんの住む林地区は、緑豊かな里山に民家が点在し、まるで小宇宙である。雨のおかげで薄く靄がかかり、幻想的な世界が広がる。
そこへ愛用の軽トラで松原さんがさっそうと現れた。空模様は暗いが、松原さんの顔は今日も晴れやかだ。
「せっかくなので、いつもとは別の圃場にいきましょう。」車でひとっ走り。今回出品される夏野菜を栽培している畑へと案内してくださった。ぐんぐん育つ野菜たち。
この畑の特徴的なところは、なんといってもバンカープランツだ。バンカープランツがあるおかげで、カエルやカマキリ、クモたちの住処となる。彼らは害虫を食べてくれる。小さな協力者たちのおかげで瑞々しい野菜が生まれているのだ。

広がる想い・広がる交流

地元の住民との交流も欠かせない。「やっぱり適地適作。そのためには土地を知っている人に聞くのが一番。」温故知新。作物を想う気持ちは、世代の壁、栽培方法の壁を取り払う。
マルシェにも良い影響をもたらしている。開始当初、地元来場者は少なかったが、今ではみなに愛される場所へと変化した。‘‘美味しくて安心なものを食べたい‘‘‘‘仲間がつくったもので何か創りたい‘‘マルシェメンバーの熱い想い・こだわりが周囲に伝わったのだ。
松原さんをはじめとし、新規就農者の移住が相次ぐ茂木町。若い世代の流入で活気づく一方厳しい現実もある。高齢化の進行と、耕作放棄地の増加だ。土地を譲り受け、栽培地としてよみがえった場所もあるが、手つかずのままのところもある。しかし、松原さんは悲観的ではない。茂木を元気にする-そのために様々なことに挑戦している。

されど未来は続く

今回案内してくれた畑の横、そこには「もて木っこだいずくらぶ」と書かれた看板がある。平成31年から開催している「親子で体験。大豆の種まきから始める味噌づくり」。これは茂木在来大豆の種蒔きから味噌づくりまで、家族でやってみようというイベントだ。「農業だけど、生活文化を含めたことも伝えたい。生きていることを伝えていきたいね。」畑をみつめながら松原さんはそう語った。
これからについて話すときも松原さんは笑顔だ。「里山農業を楽しむことかな。野菜をつくるだけじゃない。都会ではできない、里山ならではのいろいろなことを提供したいね。」
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なんだかお腹がすいてきました・・・。
さて、私もおいしい野菜をくうど~
(文・構成:菊池 写真:山田)

松原さんのお野菜もあります。オンラインショップはこちら!
morisato-m.jimdofree.com

開催期間:6/26(土)~7/10(土)