森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】売買だけじゃない。帰ってきたいと思う、帰ってこられるマルシェを目指して  宇都宮大学農学部西山先生【2021秋編⑧】

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「No Farms No Future」のステッカーを掲げる西山先生と学生3人

今回も、新しく森と里のつながるマルシェ実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの3年生3名が執筆いたします!どうぞよろしくお願いいたします!

2021秋編第8弾目となる今回は、第7弾に引き続き、宇都宮大学農学部で食と農の視点から地域社会について研究されている西山未真先生にお話を伺いました。今回は、西山先生・西山ゼミが森と里のつながるマルシェとどのように関わってきたのか、マルシェをどのような位置づけで考えているか、をお聞きしました。

西山先生・西山ゼミと森里マルシェの関わり

現在は学生も実行委員会に関わらせていただいていますが、最初からこのような形だったわけではありません。最初のきっかけは、元々関わっていた知り合いの先生に声をかけられ「ゼミの生徒と行きます!」と2017年春の開催時(その頃は対面での実施)に西山ゼミでお手伝いに行ったのがはじまりです。参加1年目は、それぞれの農家さんに学生が付き、販売のお手伝いをしていました。しかし、もっと違う関わり方ができるのではないかと思い始めます。西山先生・ゼミの目的である「地域の資源に注目した小さな農業の価値を研究する、伝える」という森里マルシェとも合致するテーマがある事を、もう少し違う関わり方をして伝える場にしたいと考えるようになりました。マルシェにも貢献し、自分達の研究や思いも発信したいという気持ちがありました。

2018年からは、西山ゼミ考案の「参加型アンケート」を実施します。1つのブースをお借りし、日本地図を用意しどこから来たか、性別、何が楽しかったなど、シールを貼って貰うことで楽しみながらご回答いただけるように工夫したものです。紙を渡し、記入してもらう形式はなんだか森里マルシェの雰囲気と合わないですもんね。協力して頂いた方には、「No Farms No Future」のステッカーをお配りし、西山先生・ゼミではこんな事をしているんですよと発信も合わせて行いました。(今回のオンラインマルシェでご購入頂いた方にもお配りする予定です。どうぞ、携帯やパソコン、車などに貼ってください(^ ^)。また、アンケートにもご協力頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。) 参加型アンケートを行った事で、地元の人は来ないだろうと予想していたマルシェですが、「意外と茂木町の人も参加している、このような活動に興味があるんだ」という事がわかり、地元の人向けの情報発信をしようと活かすことができました。マルシェの運営に貢献し、自分達の理念も発信できるような、そんなマルシェとの関わり方へと変化しました。

新型コロナウイルスが流行した2020年は、人数制限をかけた内々の開催となりました。少人数だったため、ロウソク作り体験や実際に農場を回るなどの体験イベントが可能となり、学生はお手伝いをしながら、参加者としても体験をさせていただきました。その際、実際に茂木町の自然や文化に触れたことで刺激を受け「学生の我々も何か出来ることがある」と思い、2021年から森里マルシェ実行委員会に本格的に関わらせて頂くことになったのです。現在はオンラインマルシェの運営や情報発信、広報をメインにマルシェ実行委員の皆様と協力して、森と里と人のつながり、茂木町の資源・文化を盛り上げようと活動しています!!

なんとなく、西山先生・西山ゼミと森里マルシェの関わりを知っていただけましたでしょうか??(鈴木)

紆余曲折した過去と今後の展望

このように様々な工夫を凝らし、関わりを深めてきた西山先生・西山ゼミと森と里のつながるマルシェですが、全てが順風満帆に進んできたわけではありません。
2014年から始まった森と里のつながるマルシェは2017年に最盛期を迎えます。ここからもっと頑張ろう!そう意気込んでいた矢先の2018年、今までマルシェに積極的に関わっていた実行委員の有機農業者の方々が様々な理由で離農し、実行委員を辞めていきました。せっかくここからって時だったのに、西山先生はとても落ち込みました。

しかし、これまでの活動でこのマルシェの存在が一定の認知を受けました。では次にどうするか。他のマルシェとどう差別化するか。そこを考えるのが今であると西山先生はおっしゃいます。
そこで先生は、マルシェの場を私たち学生のやりたいことをできる場として積極的に活用し、新たなアイデアでこのマルシェを盛り上げて欲しいと言います。
そして同時に、かつてこのマルシェの運営に中心として携わっていた方々が快く戻ってこられる場所を作りたいともおっしゃいます。

「マルシェはモノを売り買いするだけの場ではない。情報を交換したり、自分のことを表現したり、地域のことを考えるきっかけ、地域と深く関わるきっかけになる場である。」
西山先生は「みんなが帰ってきたいと思う場所であり、みんなが帰ってこられる場所」をつくろうと尽力されています。

私たち学生がこのマルシェで自分のやりたいことに挑戦し、盛り上げることで、その結果として西山先生の目指すそういった場所をつくるお手伝いになればいいなと思います。(林)

モノだけでなくコトを交換するマルシェ

グローバル化は効率的であることから農業でも盛んに行われています。食と農の距離が離れることで農業に関心を持たない人が増加し、地域の文化が失われつつあるのが現状です。このような「グローバルフードシステム」の対義語として「ローカルフードシステム」がありますが、これは決して地産地消を推進するだけではありません。子どもの貧困や高齢化といった社会問題を解決する農業システム全体を指します。このローカルフードシステムがグローバル化で離れた食と農の距離を縮め、地域社会の抱える問題を解決する手がかりになると西山先生は考えています。
マルシェ(市場)はモノを売買する場でもあり、情報交換の場でもあります。それはマルシェが顔の見える関係であるからです。

だからこそ、マルシェは地域と深く関わることができ、西山ゼミの学びや想いといった情報を直接発信できることに最適な場であるのです。(小林)

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自身の想いを熱く語る西山先生

今回のインタビューでは、西山先生がマルシェと関わるようになったきっかけから現在に至るまでの歴史、そして西山先生のマルシェへかける想いと今後の展望についてまとめました。
私たちが普段何気なく口にしている食材には様々な背景があります。どこで生産されたのか、どんな栽培方法が用いられたか、生産者の方がどんな想いを込めて育てたのかなど、きっと知らなくても困らないけど、そういった背景があることを知ることで日々の食事がただの栄養摂取から「人生を彩るもの」になると思います。
そうした中で、マルシェの役割は地域活性化や経済的なメリットだけではなく、こういった心の豊かさを養う素敵な場であると考えます。
みなさんもぜひ一度マルシェに参加してみてはいかがでしょうか^^
(構成:林 写真:山田)


★オンラインマルシェ開催期間:10/23(土)~11/7(日)・発送:11/12(金)
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開催中です!!!よろしくお願いいたします!!!

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