森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】茂木でニホンミツバチをつなげる~作り手の過去からみる~【2022冬編②】

f:id:morimaru2014:20220114114229j:plain
町井さんが作った鮎の塩焼き
f:id:morimaru2014:20220114114251j:plain
町井久男(まちい ひさお)さん

森里インタビュー企画2022冬編第2弾。今回は小深地区でニホンミツバチを飼育し、はちみつの販売・飼育方法の指導などを行なう町井久夫さんにお話を伺いました。12月中旬、町井さんは庭で鮎の塩焼きを作りながら出迎えてくださいました。「食べながらね。骨はココにだしな。」私は迷わずお腹をパクリ。すると、「川で採った天然の鮎だからはらわたにこけや石が入っている場合があるから。だから背中からかじるんだよ。」自然体験の経験が少ない私は知らないことばかりです...。川の恵み、美味しく頂きました^_^

f:id:morimaru2014:20220114114131j:plain
町井さんと出来立ての鮎の塩焼き

町井久夫さんの前回のインタビュー記事はこちらから。
町井さんは“ニホンミツバチが住める里山を育てる会”“茂木日本ミツバチ”の会長も務めています。今回のインタビューは町井さんご自身の事についてフォーカスを当ててお話を聞きました。

町井さんの幼少期

茂木町出身の町井さん。定年退職後、ニホンミツバチの飼育を始めました。現在に至るまでにはどんな過去・思いがあったのでしょうか。

『小さい頃は魚とりが大好きだった。』
『魚とりは晩ご飯のおかずのため。食うためだった。みんな夕方に川に採りに行ったんだ。』
町井さんのご自宅は那珂川沿いにあります。川は絶好の遊び場であり、食料・命の源でもあったようです。インタビュー中に出してくださった鮎の塩焼きも、町井さんが那珂川で捕ったもの。川遊びの経験が少ない私からすると、とても贅沢なものをいただきました。小さい頃から自然のなかで暮らしてきた方の生きる知恵・技術・経験を感じることができました。

『秋になると、山のてっぺんにメジロを捕りにいった。朝、山へ行って鳥黐(とりもち)を置き、チチチと口笛を鳴らす。捕るのが上手い子がみんなにわけてくれるの。』
『大学時代は山岳渓流に熱中した。岩に隠れている幻の魚“イワナ”って知ってる?今は放流されているけど昔は奥の方に行かなきゃいなかった。』

f:id:morimaru2014:20220114114358p:plain
にっこり笑顔の町井さん

町井さんの生活のなかには常に身近に自然がありました。大学卒業後は東京の電気系の会社に就職。その後茂木に戻り、警察試験を受けて地元で警察官になりました。そして定年を迎え2年後にニホンミツバチの飼育を始めました。
意外な職歴に驚きましたが、にっこり笑顔が素敵なお巡りさんだったのかなとなんだか想像が付きますね。

ミツバチの貢献度

人間の食べるもの(家畜や魚類を含め)の90%はミツバチの貢献のおかげであることをご存じでしょうか。その貢献度のうちニホンミツバチの割合は60%。セイヨウミツバチは30%。残りの10%はハエやアブなどの昆虫類によるものです。ニホンミツバチは山・森を豊かにし、そこから流れ出す水・川の栄養分は魚類の生育を支えています。また、家畜の餌となる穀物を受粉させ、実を結ばせているのはミツバチなのです。

ニホンミツバチを将来のこども達のために残してあげたい。ミツバチが全滅してしまうと花粉の媒介をしてくれる存在がいなくなってしまう。そうなると森が汚れ、川が汚れる。』
幼少期から川や森で遊び、自然を感じ、魚を食べ、その恩恵を受け生活していた町井さんだからこそ、ミツバチの貢献の重要性を感じているようです。

f:id:morimaru2014:20220114114438j:plain
二ホンミツバチの巣箱(寒さを防ぐために段ボールを巻いている)
町井さんの知恵と経験・ニホンミツバチをつなげる

『目標はニホンミツバチの飼い方・ニホンミツバチの良さを教えていくこと。』
町井さんは知識が全く無い状態でニホンミツバチの飼育を始めました。ミツバチを飼い始めた時は無我夢中だったといいます。蜜のとり方もわからない。文献や本を読み独学で飼育を学び、茂木の環境に適した飼育方法を試行しました。ニホンミツバチの飼育方法は地域や周囲の環境によって微妙に異なるため、必ずこれという教科書はないようです。そこで、町井さんはご自身の経験を活かしニホンミツバチの飼い方・ニホンミツバチの良さを教えるために“茂木日本ミツバチ”の会を立ち上げ、年間約150人程度の会員に飼育方法の指導を行なっています。茂木町のなかでも、山の中と外、日陰と日向で飼育方法が異なるようです。

f:id:morimaru2014:20220114114558j:plain
インタビューの様子

町井さんは、穏やかでありながら信念を持ち、里山の未来・子どもの未来のためにニホンミツバチをつなげています。
『初めて蜜をなめたとき、感動した。』
町井さんの努力・愛の結晶はどんな味がするのでしょうか。町井さんの人柄を含めて、マルシェに出品されるはちみつを愛していただけたらなと思います。

f:id:morimaru2014:20220114114634j:plain
目の前で話しかけられているような・・・感じ??

今回の記事は、話し手の雰囲気がより伝わるように、はなし言葉をそのまま書き起こし文中に入れてみました。まるで、町井さんに目の前で話しかけられているような感じ、しませんか??(構成:西山ゼミ3年鈴木)


(写真:西山ゼミ4年山田)

★オンラインマルシェ準備中★
morisato-m.jimdofree.com

★森と里のつながるマルシェHP
morisato-m.jimdofree.com


★各種SNSでも案内を行っております!
よろしければぜひチェックしてくださいね。
Twitter
twitter.com

Instagram
https://www.instagram.com/morisato2020/?hl=ja