森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】食べ物が育てられる里山の環境と知恵を次の世代につなぐ -足るを知り、自然に沿った生き方を-【2022冬編⑥後編】

森里インタビュー企画2022冬編第6弾後編。
今回後編となる月nocoさんへのインタビュー記事では、「月noco誕生から今に至るまで、月nocoの名前の由来、そして更なる今後の展望」について執筆させていただきました!
「月」と「noco」に込められた想い、おふたりが大切にしている考え方、そして最後には今回月nocoさんが出品されるお品物についても執筆しておりますので、ぜひ最後までご覧ください!それではどうぞ!

茂木への移住のきっかけ

「自然の多い所で、農業や料理を通して人が集まれる場所を作りたい」と思い描いていたおふたり。2017年の秋頃、いい場所を探していた時、ご縁があって森里マルシェに当時暮らしていた福島県から参加し、その際、当時実行委員だった野原さんや先日インタビューを行った松原さんに出会いました。栃木にも東京にも割と近い茂木という立地の良い場所で、しかも茂木の方々も、移住者の方々もみんなの雰囲気がすごく良くて、栃木だったら茂木が良いなと思うようになりました。
移住先の空き家は親切に野原さんが一緒に探してくださったそうで、何軒か周った中で、周りの雰囲気や環境、そして古民家であること、さらにはもともと宿屋とパン屋さんをやりたいと思っていたこともあって、間取り的にも広さ的にも民泊ができる、竈門も薪風呂もあって台所からは山の水も出るということが決め手となり、「ここしかない」と今の家に移住することを決めました。
移住してきたのは2018年。2017年秋のマルシェに参加したことがきっかけで、茂木に移住したいと思い、それを周りの方々に話していたらとんとん拍子に移住することが決まったそうです。そうして今に至ります。

『月noco』名前の由来

こうしてオープンした「雑穀農家のパンと宿 月noco」ですが、この「月noco」という名前にはどんな意味があるのか?何に由来しているのか?みなさんも気になる所だと思います!
実はこの「月noco」は「月」を佳弘さん、「noco」を紀子さんが、ふたりが各々思いを込めて選んだ言葉を組み合わされた名前なんです!
では「月」と「noco」それぞれにどんな想いが込められているのか、聞いていきましょう!

○『月』

人の価値観や人が決めたこの経済のルールや社会に対し、違和感を持っていた佳弘さん。
『例えば福祉施設とかで、めちゃめちゃいい面はあるんだけど、プラスチックでお人形とか細工したものを作って、販売してそこでお金が生まれる、お金が得られる訳でしょ?みんな幸せなんだけど、ただ単に石油からプラスチックの材料が動いただけでお金が得られて、でそのお金が得られるという中で、結局は環境破壊にしかなっていないというような部分があって、なんかそういうのを考えだすと、仕事ってなんなんだろうって思っちゃう時があって…。その時にたまたま農業に興味持つようになって、人間の価値観じゃない月のリズムというか、動物とかはすごい感じてるんですけど、「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」という日本の二十四節気の言葉があるように、にわとりは人間が感じていないような日の長さとかを感じて、冬の間寒くて卵を産まない時期があって、自然のリズムで日が長くなってきたら卵を産むようになるタイミングがあって…。そういうのを初めて知った時に、本来の生き物として、もっと地球のリズムというか、自然のリズムに価値観を寄せていきたいなと思ったんですよね。だめだ、うまく説明できない(苦笑)』(大丈夫、伝わってます👍)

「月」という言葉には、
「人間が作り出した価値観やルールに縛られることなく、本来の地球上の生き物として、自分の価値観や生活を自然に寄り沿ったものにしたい」
という佳弘さんの想いが込められています。

○『noco』

紀子さんは「ウォールアートプロジェクト」というインドのワルリ族という先住民族の暮らす田舎町の小学校の壁にアートをするプロジェクトに参加した経験があり、そのプロジェクトと一緒に実施されていた「nocoプロジェクト」という活動の名前からnocoを引用しました。
「noco」はインドの人の言葉で「もう十分、ストップ」という意味があり、ご飯などを勧められた時に「大丈夫です」という意味で使うそうです。

その言葉の意味から「noco」という言葉には
「足るを知る生活をしたい」
という紀子さんの想いが込められています。

『足るを知り、自然に沿った生き方を』
「自然の流れに沿って、本来の生物として自然とともに生き、何事も求めすぎることなく、今あるもので生きていく」
このような想いが「月noco」の名前に込められていたんですね!

食べ物を育てられる里山の環境と知恵を次の世代につなぐ

「食べ物を育てられる里山の環境と、食べ物を育てられる知恵を次の世代につなぐ」
これは月nocoの経営理念です。
この経営理念には、「みんなに食べ物を安心して得られる社会・環境をつくり、次の世代が困らないようにしたい」という想いがあります。
パン屋と宿屋と農業体験を通して、里山の魅力を発信して食べ物を育てる文化を、生業を通して伝えていきたいと言います。そしてそれが次の世代の平和につながるようにと。

頑張りすぎないように

『オーガニックとかヴィーガンとか、頑張りすぎて理想ばかり高くなってしまうと、よくない。例えば、たまに家族で疲れたねって時はチェーンのラーメン屋さんに行って、いわゆるオーガニックじゃないものを食べたりして、息抜きはしっかりとして、偏りすぎない。頭でっかちになると大変だから。いい勉強会やセミナーを企画した時は、「毒を入れなきゃ」という感じで…(笑)。
「頑張り過ぎないように、たまにはいいよね〜」って感じで、アイスとかラーメンとか食べて息抜きを大事にしています。』

オーガニックやローカルなものは大事にしている。人に提供するときはちゃんとそこは徹底するけれど、「自分たちもそうでなくてはいけない」とがんじがらめになる必要は決してなく、たまには手を抜いて、大変になりすぎないように息抜きをすることを大事にしているとおっしゃいます。

これからの目標と展望

『今は育児や経営で精一杯で心の余裕がないけれど、これからもここ(茂木の里山)でしかできないことを楽しみたい。来年からは子どもが保育園に毎日通うことになるので、送り迎えはきっと大変で、余裕ができるかどうかはわからないけれど、それでもその環境でできることを一緒に楽しんでいきたい。
『目の前に自分のしたいこと、今の自分にできることが現れてくると思うから、それを掴んで、無理なくマイペースでゆっくり楽しめるようにしたい。』
決して背伸びをせず、目の前にあることに目を向けて楽しもうという姿勢、「ないものねだり」ではなく、今あるものを最大限楽しもうとする姿勢、とても素敵ですね。
きっと今、自分の目の前にあるものに価値を見出し、それを楽しもうとする姿勢でいるからこそ、「幸せ」を感じられるのかもしれませんね。(つい熱くなってしまいました…アチアチ)

また、今年から地域の中川小学校でお米づくり(田植え、稲刈り、脱穀)を始めたので、地域の子供たちとのお米づくりを頑張りたい、ともおっしゃっていました。
『今後は仕事と宿屋と農業体験で、しっかり食べていけるように、情報発信できるようにして、次に茂木に移住してくる人に向けて、仕事のアドバイスができるくらいまで、経営面もしっかりしていきたい。』
今後は自分が移住してきた人を支える側になり、地域を支えられる存在になれるようにと、今後の目標を熱心に語っていました。

身体にも環境にもやさしい月nocoさんのお品物紹介

最後に、このような想いで月nocoを経営されている佳弘さん紀子さんが今回のオンラインマルシェで出品するお品物をご紹介します!

①オリジナルシュトーレン  1個(10cm×20cm)1000円

栃⽊県産有機⼩⻨とオーガニックココア、オーガニックココナッツオイルを⽤いた、森⾥マルシェオリジナルのシュトーレンです!卵や乳製品不使用。ラム酒漬けのレーズン入りの、大人が楽しめるシュトーレンです。

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オリジナルシュトーレン

有機玄米せんべい 各1袋(10枚入り)
プレーン510円/雑穀あわ入り530円

茂木町の棚田で有機無農薬・天日干しで育てたお米(イセヒカリ)と国産大豆の醤油を用いた、昔ながらのおせんべいです。プレーンと雑穀のあわ入りの2種類からお選びいただけます。

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有機玄米せんべい

以上の2品が今回月nocoさんから出品されます!
佳弘さんと紀子さんがたくさん時間をかけ、愛情を込めて育てた、身体にも環境にもやさしい素材から作られるこだわりのお菓子です!
ぜひご自身の心と体全体で、佳弘さんと紀子さんの想いを感じていただけたらなと思います^^

あとがき

最後までご覧いただき、有難うございました!全3編にわたってお送りしてきた月nocoさんのインタビュー記事いかがでしたでしょうか??
このインタビュー記事を通して、ここまで読んでくださったみなさんに佳弘さんと紀子さんの人柄や想いが少しでも伝わって、おふたりのことを知るきっかけになってくれたら嬉しいなって思います!最後に私の独り言をちょびっと。

「足るを知る」を意識することで、今自分の目の前にあるものの大切さに気づくことができる。
そして、自分が持っているものに自分なりの価値を見出すことで、自分以外の誰かやモノの豊かさなどでは決して埋めることのできない心の奥底が満たされて、心の底から「満足感」や「幸せ」を感じることができる。
さらには自分の心を自分自身で満たすことができるようになったら、溢れた幸せを周りの人にお裾分けすることができる。幸せの好循環が生まれるね✌︎
「ないものねだり」じゃなくて「今あるものに価値を見出す」ことこそ「心のゆとり・豊かさ」を育むことにつながる。すべては「足るを知る」の考えにつながるのかな??

私も自然に寄り添った生き方をして、仙台のおじさんのように、自分がどんなに辛い状況だったとしても、周りのひとに「食」と「温かい心遣い」を与えることができる心のゆとりがある人になりたいな。
『足るを知り、自然に沿った生き方』私も目指していこうかな。
でも頑張りすぎちゃいかんね。たまには息抜きもしようね^^(構成:西山ゼミ3年 林)

写真:西山ゼミ4年山田

★オンラインマルシェ開催中:1/29(土)~2/13(日)・発送:2/18(金)
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