森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】 「美談でない」生き方を~なんでも包み込んでくれる奇跡の場所 茂木~【2022夏②】

今回お話を伺ったのは、現在茂木町内で農業体験やオーナー制農業、地域のコミュニティスペース作りや自然栽培など、多岐に渡って活動をされている「半農半ガーデナー」の成沢亨(なるさわとおる)さん。
今回は成沢さんが植物と関わるようになったきっかけから今に至るまで、そして成沢さんが思う茂木の好きなところなどたくさんお話ししました!
成沢さんのシビれる生き方に迫っていきましょう!

成沢亨(なるさわとおる)さん
東京都出身60歳/
成沢さんは9年半システムエンジニアとして大手ソフトウエア会社に勤務していました。自身の心身不調をきっかけに植物と出会い、家族を連れ「未開の地 宮城県」で園芸装飾や観葉植物のレンタルリース業など植物にかかわる仕事に携わるようになりました。
お客様からの「一人でやってみたら?」の一言で独立を決意、植物を生活に役立てるお手伝いをする職業「ガーデナー」となり、庭造りやガーデニングのアドバイスをしていました。
その後、「自由に暮らしたい」という想いからお母様と茂木へ移住。「来た瞬間にビビっときた」と成沢さんはおっしゃっていました。空き家バンク制度を利用し家を購入、お母様と二人暮らしを始めました。

成沢 亨(なるさわ とおる)さん
植物との出会い ~あの時たまたまスミレの花が目に入らなかったら、今の仕事にはついていなかった~

最初は植物に興味がなかった成沢さん。システムエンジニア時代、心身共に疲れ、自宅の庭をふらついていた時にたまたまサンシキスミレの花が目に入りました。

成沢さん「(スミレを見つけたとき)これスミレなんだ…で、ちょっとね、ウルっと来てしまって…スミレのことを調べ始めたんです」

成沢さんはその後、スミレに会いに山登りを始めました。登山をするうちに野生植物に興味を持ち、植物にどんどん興味を持つようになりました。

小林「奇跡っていうか…その時スミレが目に留まらなかったら、今はこういう仕事しているかわからないですよね」

成沢さん「そうだね、たぶんしてないよね(笑)」
「もっと自分が鈍くてタフだったら、茂木にはいなかっただろうね」
「まあ、ここに来て本当によかった。やっと、生きてる心地がした」

小林「すごい…刺さった…!いい話。」

成沢さん「こういう話はなんか…脱都会で田舎にきてこういうことやってると美談に仕立て上げられちゃうんだけど、自分なんかどっちかっていうとエスケープしてきたわけだから。社会からスピンしてエスケープしてやっとここにたどり着いた感じだから、美談でも何でもないんだよ、本当は。」
「(茂木に来て)やっと人間を取り戻したって感じ。だから満足してるんだよ。ここに5年いるけど。五年間本当に自分のやりたいことやってきたので、いつ死んでもいいやって感じだよね(笑)」

私の中で一番印象に残ったお話でした。
私自身ガラスのハートなところがあって、他人と比べて自分に至らないところを見つけては落ち込んで…もっと強くならなきゃ!とばかり思っていました。成沢さんのお話を聞いて、幸せや成功は人それぞれで小さなきっかけからそれらを見つけることができると感じました。
当たり前だと思っていることに感謝してみよう!そして心動いたものに素直になろう!と思ったきっかけでした。

「お金がなくても豊かに暮らせるぜ」の事例を作りたい

半農半ガーデナーとして農的・自給的暮らしを楽しんでいると同時に、地域のコミュニティメーカーとしても活動している成沢さん。
成沢さんは親子で農作業体験できるイベントを開催したり、自宅の二階を「何もしなくてもいい」シェアスペースにしたりしてコミュニティを作っています。

「あらゆる暮らしをこれからはシェアしていかないといけない」
「価値観をお金という軸からほかのいろんな軸に広げていきたい」
そんな想いを成沢さんは抱いています。

喫緊の課題は「地域を存続させるためにかかわる人の人口を増やす」こと。
里山にかかわる人口を増やしたい。その為には地元の人や移住者が自由に活動できるような時間、環境、そして「外資」が必要であると成沢さんは話します。
実際に、成沢さんは都会の企業と里山のコミュニティが契約関係を結んで、福利厚生、シェルター機能を預けてもらい、得たお金を基金として里山で活動する人たちのために使用する取り組みを行っています。

いろんなハーブの香りを体験!
「エアポケット」のような場所~ここが好きだよ茂木~

成沢さん
「(茂木は)意外と人目につかなくてあんまり特徴のある町ではないけど、『忘れ去られた土地』ていうか…意外とね、資本に侵されていない隙間のような場所」

小林
「自然体な場所でいいですよね、介入していない感じ

成沢さん
「そうなんですよ。だから最後の楽園って言ってもいいかもしれない」
「あとはね、特徴的なのはね、人間性。ここの人たちがみんな穏やかなの。(他の)田舎はどこも閉鎖的で封建的なところがあるんだけど、(茂木は)みんなすごくいい人たち。余裕がある人たち。だから排他的でない。自分がここにきてなにか横やり入れられたりとか、陰口叩かれたりとか一個もないんだよね。奇跡的な場所。自分にとっては」

小林「茂木のそういうところが好きなんですか?」

成沢さん
「そうそう、残された里山環境と穏やかな人間関係がフィットしてしまった…そんな感じです」

私も初めて茂木を訪れた際、何とも言えないあたたかさを感じました。
その理由は穏やかな人柄と包み込んでくれるような自然環境なのかもしれないですね。


茂木愛たっぷりの成沢さんが豊かな自然環境の中で育てたハーブ。
成沢さんの想いと茂木の自然を味わえるハーブティーをぜひご賞味ください!

コラム 今回初めてインタビューから記事執筆まで担当させていただきました。小林です。今まで就職活動でなかなか携われず…久しぶりに茂木を訪れました。しっかし茂木はいつ来てもいいところ!ゆっくりしていて緑が私を歓迎してくれているように感じました。コロナ渦ということもあり、就活はオンライン中心。画面上でしか人と繋がれない状況で自分をアピールする難しさに悪戦苦闘しましたが、マルシェメンバーの方含め多くの方に応援していただき乗り越えることができました!ありがとうございます。
さて、今回は履歴書ではなくインタビュー記事を執筆いたしました。成沢さんの生き方、考え方に触れて感じたことがあります。それは「自分らしく」ということです。友人と話すことは就活のことばかり。周りに合わせて「都会のキラキラOLになりたい」と話していました。(ほんとは緑あふれるところでのんびりパン屋さんをやりたい…!)すぐにはできないかもしれませんが、自分の好きや楽しいに素直になって成沢さんのように「本当よかった」といえる生き方をしたいです。



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