森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】売買だけじゃない。帰ってきたいと思う、帰ってこられるマルシェを目指して  宇都宮大学農学部西山先生【2021秋編⑧】

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「No Farms No Future」のステッカーを掲げる西山先生と学生3人

今回も、新しく森と里のつながるマルシェ実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの3年生3名が執筆いたします!どうぞよろしくお願いいたします!

2021秋編第8弾目となる今回は、第7弾に引き続き、宇都宮大学農学部で食と農の視点から地域社会について研究されている西山未真先生にお話を伺いました。今回は、西山先生・西山ゼミが森と里のつながるマルシェとどのように関わってきたのか、マルシェをどのような位置づけで考えているか、をお聞きしました。

西山先生・西山ゼミと森里マルシェの関わり

現在は学生も実行委員会に関わらせていただいていますが、最初からこのような形だったわけではありません。最初のきっかけは、元々関わっていた知り合いの先生に声をかけられ「ゼミの生徒と行きます!」と2017年春の開催時(その頃は対面での実施)に西山ゼミでお手伝いに行ったのがはじまりです。参加1年目は、それぞれの農家さんに学生が付き、販売のお手伝いをしていました。しかし、もっと違う関わり方ができるのではないかと思い始めます。西山先生・ゼミの目的である「地域の資源に注目した小さな農業の価値を研究する、伝える」という森里マルシェとも合致するテーマがある事を、もう少し違う関わり方をして伝える場にしたいと考えるようになりました。マルシェにも貢献し、自分達の研究や思いも発信したいという気持ちがありました。

2018年からは、西山ゼミ考案の「参加型アンケート」を実施します。1つのブースをお借りし、日本地図を用意しどこから来たか、性別、何が楽しかったなど、シールを貼って貰うことで楽しみながらご回答いただけるように工夫したものです。紙を渡し、記入してもらう形式はなんだか森里マルシェの雰囲気と合わないですもんね。協力して頂いた方には、「No Farms No Future」のステッカーをお配りし、西山先生・ゼミではこんな事をしているんですよと発信も合わせて行いました。(今回のオンラインマルシェでご購入頂いた方にもお配りする予定です。どうぞ、携帯やパソコン、車などに貼ってください(^ ^)。また、アンケートにもご協力頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。) 参加型アンケートを行った事で、地元の人は来ないだろうと予想していたマルシェですが、「意外と茂木町の人も参加している、このような活動に興味があるんだ」という事がわかり、地元の人向けの情報発信をしようと活かすことができました。マルシェの運営に貢献し、自分達の理念も発信できるような、そんなマルシェとの関わり方へと変化しました。

新型コロナウイルスが流行した2020年は、人数制限をかけた内々の開催となりました。少人数だったため、ロウソク作り体験や実際に農場を回るなどの体験イベントが可能となり、学生はお手伝いをしながら、参加者としても体験をさせていただきました。その際、実際に茂木町の自然や文化に触れたことで刺激を受け「学生の我々も何か出来ることがある」と思い、2021年から森里マルシェ実行委員会に本格的に関わらせて頂くことになったのです。現在はオンラインマルシェの運営や情報発信、広報をメインにマルシェ実行委員の皆様と協力して、森と里と人のつながり、茂木町の資源・文化を盛り上げようと活動しています!!

なんとなく、西山先生・西山ゼミと森里マルシェの関わりを知っていただけましたでしょうか??(鈴木)

紆余曲折した過去と今後の展望

このように様々な工夫を凝らし、関わりを深めてきた西山先生・西山ゼミと森と里のつながるマルシェですが、全てが順風満帆に進んできたわけではありません。
2014年から始まった森と里のつながるマルシェは2017年に最盛期を迎えます。ここからもっと頑張ろう!そう意気込んでいた矢先の2018年、今までマルシェに積極的に関わっていた実行委員の有機農業者の方々が様々な理由で離農し、実行委員を辞めていきました。せっかくここからって時だったのに、西山先生はとても落ち込みました。

しかし、これまでの活動でこのマルシェの存在が一定の認知を受けました。では次にどうするか。他のマルシェとどう差別化するか。そこを考えるのが今であると西山先生はおっしゃいます。
そこで先生は、マルシェの場を私たち学生のやりたいことをできる場として積極的に活用し、新たなアイデアでこのマルシェを盛り上げて欲しいと言います。
そして同時に、かつてこのマルシェの運営に中心として携わっていた方々が快く戻ってこられる場所を作りたいともおっしゃいます。

「マルシェはモノを売り買いするだけの場ではない。情報を交換したり、自分のことを表現したり、地域のことを考えるきっかけ、地域と深く関わるきっかけになる場である。」
西山先生は「みんなが帰ってきたいと思う場所であり、みんなが帰ってこられる場所」をつくろうと尽力されています。

私たち学生がこのマルシェで自分のやりたいことに挑戦し、盛り上げることで、その結果として西山先生の目指すそういった場所をつくるお手伝いになればいいなと思います。(林)

モノだけでなくコトを交換するマルシェ

グローバル化は効率的であることから農業でも盛んに行われています。食と農の距離が離れることで農業に関心を持たない人が増加し、地域の文化が失われつつあるのが現状です。このような「グローバルフードシステム」の対義語として「ローカルフードシステム」がありますが、これは決して地産地消を推進するだけではありません。子どもの貧困や高齢化といった社会問題を解決する農業システム全体を指します。このローカルフードシステムがグローバル化で離れた食と農の距離を縮め、地域社会の抱える問題を解決する手がかりになると西山先生は考えています。
マルシェ(市場)はモノを売買する場でもあり、情報交換の場でもあります。それはマルシェが顔の見える関係であるからです。

だからこそ、マルシェは地域と深く関わることができ、西山ゼミの学びや想いといった情報を直接発信できることに最適な場であるのです。(小林)

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自身の想いを熱く語る西山先生

今回のインタビューでは、西山先生がマルシェと関わるようになったきっかけから現在に至るまでの歴史、そして西山先生のマルシェへかける想いと今後の展望についてまとめました。
私たちが普段何気なく口にしている食材には様々な背景があります。どこで生産されたのか、どんな栽培方法が用いられたか、生産者の方がどんな想いを込めて育てたのかなど、きっと知らなくても困らないけど、そういった背景があることを知ることで日々の食事がただの栄養摂取から「人生を彩るもの」になると思います。
そうした中で、マルシェの役割は地域活性化や経済的なメリットだけではなく、こういった心の豊かさを養う素敵な場であると考えます。
みなさんもぜひ一度マルシェに参加してみてはいかがでしょうか^^
(構成:林 写真:山田)


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【森里インタビュー】"No Farms No Future"半農半研究者として  宇都宮大学農学部西山先生【2021秋編⑦】

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西山先生と3年生

今回も新しく、森と里のつながるマルシェ実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの 3 年生 3 名が執筆いたします!!どうぞよろしくお願いいたします。 上の写真に写っている「No Farms No future(農業のないところに未来はない)」という言葉は、西山先生が海外に調査に行った際に目にし心惹かれ、それから西山先生の研究理念を発信する際のキャッチフレーズとなりました。手に持っているステッカーはゼミの学生がデザインしたもので、この言葉に賛同してくれる人にお配りし、理解を広めています。

2021 秋編第7弾目となる今回は、宇都宮大学農学部で持続的な社会や女性の参画など多岐にわたる社会問題を農業の視点から研究されながら、森里マルシェ実行委員のメンバーでもある西山未真先生に、なかなか知ることのできない先生ご自身の事に注目してインタビューを行ないました。
西山先生は 2020年に益子町に移住し、最近は研究の傍ら自宅で農業をはじめ、半農半研究者として自分らしさを大切に生活しています。そんな先生の農ライフを3名の学生の視点から、少し時間を遡りながら覗いてみましょう。

「高校卒業後大学に入学しましたが、やりたいことが見つからず、消極的な自分にもどかしさを感じていました」そんな西山先生はそこからどのように農業経済学と出会うのでしょうか。

農と自分自身のつながりを知った学生時代

講義で公害のブーメラン現象 *1を学んだことが、農業経済学に関心を持つきっかけとなりました。公害のブーメラン現象から農業問題が自身に直接かかわることだと気づき、これまで遠い存在と感じていた農業をもっと知りたいと思い大学院進学を決意しました。      
修士・博士課程はやりがいがあって楽しかった」と先生は語っています。フィールドワークを重ね、時には泊りがけで調査を行ったそうです。机上では人の温かみや地域性に触れることができません。

先生がゼミでフィールドワークに積極的なのは地域の現状を調査しながらその副産物として講義では味わえない人と人との交流を体感できるからでしょう。 (小林)

藍と綿から! 女性農業プロジェクト

西山先生は移住後、森と里のつながるマルシェを通して出会った女性 2 名と共に女性農業プロジェクトを立ち上げ、里山暮らしを楽しんでいます。このプロジェクトは立ち上がったばかりで試行錯誤を重ねている最中ですが、西山先生ら 3 名は藍と綿の栽培に励みます。なぜ藍と綿なのか尋ねたところ「藍と綿は収穫後、お茶・リース・糸などへの加工の幅が広く、色んな手仕事につながるから」と仰っていました。また「心身にハンデを持った方々の自然に触れながらの手仕事の場にもなる」と様々な立場の人の手仕事の場としての可能性も展望しているようでした。

西山先生自身が里山生活を送り、半農半 X という新しい生活スタイルを選択しイキイキしている姿をみて、西山先生は講義中だけでなく実生活も農に生き、自分らしく生きている女性なのだと感じました。

私も将来は西山先生のように農業をしながら自然と共に暮らしたいな、なんて想像を膨らませています。(鈴木)

地域と深く関わるために

西山先生は現在、この森と里のつながるマルシェや子供食堂などの活動を通じて、茂木町、益子町と深く関わり、地域の課題を見つけ、改善することに尽力しています。また、研究者としてもこれまで全国各地様々な地域を巡り、調査をし、その地域と地域に住む方々との関わりを持ってきました。そのようにして様々な地域との関わりを持ってきた西山先生が、地域の方々と関わる際に何を大切にしているか、を聞いてみました。

西山先生が大切にしていることは「『自分のため』を通して『地域のため』になることをする」ということです。自分のために何かをして、それが結果的に地域のためにもなったらそれは理想的であると先生はおっしゃいます。自分と地域の目的・目標が一致、もしくは同じ方向を向くと、それは必然的に達成される。そのため「自分の目的・目標をはっきりさせること」も大切であるとおっしゃいました。
そしてもう一つ大切なことは「地域の問題は自分の問題でもあるという、当事者意識を持つ」ことです。自分もその地域に住む1人の住民であり、その地域を構成する一員であることを意識することで、自分の住む地域の課題や良いところをより身近に感じることができるのではないでしょうか。

私たち西山ゼミの3人は、この先いろんな地域に出向いて調査をし、地域の方々と関わりを持つ機会が増えていきます。西山先生と茂木町・益子町の関係のように、私たちも地域と深く関われるよう、まずはこの森と里のつながるマルシェから私たちの歩みを始めさせていただければなと思います。(林)

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インタビュー風景

今回のインタビューでは、1 人の人間としての西山先生を覗かせて頂きました。インタビュー後、綿畑を拝見しましたが西山先生はまるで少女のような笑顔で綿を手に取り、「こんなのが成るんだよ!ほんとにすごいよね!」と見せてくださいました。先生と生徒の垣根を超えて、これからはもっと仲良く、農について学んでいきたいです!!
(構成:鈴木 写真:山田)

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*1:日本では無認可の農薬を使用して途上国で農産物を生産し、それが日本に輸入される現象。

【森里インタビュー】想いをつなげる、想いがつながる 「空土ファーム」松原さん【2021秋編⑥】

今回から新しく「森と里のつながるマルシェ」実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの3年生3名が執筆いたします!!どうぞよろしくお願いいたします。

松原さんへのインタビュー第二弾!
今回は宇都宮大学の三年生、小林、鈴木、林の3人による初インタビュー記事です!前回のインタビューの記事はこちら!
morimaru2014.hatenablog.com

続く食育をめざして

松原さんは埼玉県での有機農家研修後、福祉作業所で1年間ハンディキャップのある方々と有機農業スタッフとして交流しました。この経験が松原さんの食育活動の原点です。「子どもたちは楽しくなければすぐに飽きてしまう、ハンディキャップのある方や引きこもりの方たちも週に1回かもしれない貴重な外出が楽しくなかったら苦しいよね。」異なる年齢や環境でも飽きずに農業の楽しさを感じてもらうために松原さんは2つのことを心がけています。それは「アプローチの仕方を変えること」と「松原さん自身が楽しむこと」です。畑作業だけでなく調理したり軽トラックの荷台に登ってみたりと視点を変えることでまた参加したいと思わせる工夫をしています。実際に小学生を対象にしたポップコーンの栽培では収穫した種のいくつかを来年の児童のために残し、残りを最後に調理して参加児童で食べることで食のありがたみと農業を後世に繋げる昔からの生命システムを学ぶことができました。また、松原さん自身も楽しむことで食育活動を行うモチベーションとしています。

聞き手:宇都宮大学西山ゼミ3年 小林

“生かされていること”に感謝して

私は、松原さんに「森と里のつながるマルシェにかける思い」について伺いました。
松原さんは森と里のつながるマルシェ準備会発足当初(2014年)から関わっている方のお1人です。その3年前の2011年は東日本大震災があった年です。震災を経験し自分達の生活がガスや化石燃料に頼りきりであることを痛感し、本当にこのままで良いのかと考えるきっかけになったといいます。松原さんは“自分達は今、生かされているんだ”ということを実感し、自分自身・一日一日を大切に、生かされている自分にできることをして、その感謝を伝えていきたいという思いがあるそうです。
松原さんは、茂木町の継承されてきた里山文化、食・生命の繋がり、人と人との繋がりをマルシェを通して皆さんにこれからも伝えていきます。

聞き手:宇都宮大学西山ゼミ3年 鈴木

松原さんが今大切にしていること

松原さんがこの活動をする上で何を大切にしているのか、この内容について私の中で特に印象深く残ったので、感想がてら今一度執筆させていただきます。

まず「自分の命を大切に大切に生きる」をモットーに日々生活しているということ。
東日本大震災をきっかけに始めたマルシェの活動。「亡くなられた方の分まで大切に生きたい。その日その日を大切に、何か一つでもできることをしたい」と目頭を熱くしておっしゃられる姿に私も目頭が熱くなりました。
「自分ができることはどんどん受け入れて、自分にできることは出し惜しみしない。」その気持ちの根底には社会を良くしたい、幸せや笑顔を増やしたいという想いと、その日その日で何か一つでもできることをしたいという強い信念があります。

また「生かしてもらっていることに感謝すること」が大切であるともおっしゃいました。
農地も里山も文化も、前の人がいて今がある。そのことを伝えていきたいと。そのために小学校では、「作り、食べるまで」ではなく「作り、食べ、全部食べないで、次の学年の生徒たちのために種を残す」ここまで考え、「つないでいく」ことを大切にしています。

こうした松原さんの想いを「つないでいく」ために、私たちも「出し惜しみすることなく、自分にできることをどんどん受け入れていく」姿勢でありたいと思います。

聞き手:宇都宮大学西山ゼミ3年 林

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インタビューのあとは仲良く肩を組んでポーズ!

(編集小林 撮影山田)


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【森里インタビュー】あたたかな里山で、つくる‘‘よろこび‘‘の共有を  磯部さん【2021秋編⑤】

森里インタビュー第5弾。今回はお菓子を出品する磯部なおみさんだ。森里マルシェ実行委員の熱い想いにふれ、出品を決めた彼女はどのような想いを抱いているのだろうか。

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手前:インタビュアー(菊池) 奥:磯部なおみさん
愛情と熱意に応えたい

細い道をゆっくり進む。磯部さんが住む古民家は里山の自然にマッチした、あたたかな雰囲気のある素敵な空間だ。旦那さんと1匹のワンちゃん、3匹の猫ちゃんと磯部さんは暮らしている。旦那さんが改修を行った工房にお邪魔させていただき、出品予定のお菓子ついてお話を伺った。

「松原さんのところの米粉つかった米粉クッキーと琥珀糖の詰め合わせをだそうと思っています。琥珀糖に使う素材は決めていないけれど、旬の素材を入れる予定です」
森里マルシェには立ち上げから関わっていたが、最近は自身の仕事の関係もあり、実行委員や出品者として関わることはなかった。オンラインマルシェへの出品の声がかかった時も一度検討した。「私はSNSを通した販売も行っていて。販路はできているので、マルシェはそういった(個人でオンライン販売する)ことが苦手な人優先で出品してもらいたい、と話していました」気持ちに変化をもたらしたのは松原さんの熱意だという。「けど松原さんから茂木に対する愛だったり、情熱がすごく伝わってきて。想いがなければできないことだと思う。私もその想いに応えたいと思って出品を決めました」

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米粉クッキー

優しさとあたたかさ

磯部さんは元々北海道のご出身。旦那さんも県外の方だ。生まれ育った土地ではない茂木、けれど住むことに不安はなかった。それは茂木の人々の“あたたかさ”があったからだ。「みなさん温かく見守ってくださっていたと思います。徐々にお菓子交換をするようにもなったりして…打ち解けるようになりましたね。茂木はすごく居心地のいいところだなと思います」ご近所づきあいはどうだろうか。「ご近所の人ともほどよい距離感で接しています。なかには話をしない人もいるけれど…それも含めてこういう土地での暮らしだなって思う」茂木の地で生きていくということ。様々な人に触れる中での暮らし。新たな挑戦も始めた。はちみつだ。

「普段は町井さんのはちみつを(お菓子に)使っているけれど、自分で採ったはちみつを使ってみたいと思って。去年の春から始めて今回初めて絞りました。」ミツバチについて教えてくれたのは森里マルシェでもおなじみの町井さん。近所のお父さんもミツバチの面倒を見てくれるそうだ。「楽しんでいる地元の人の存在はありがたいです。松原さんも町井さんも、近所のお父さんおばあちゃんも。やさしさと愛がある」

垣根を越えて つくるよろこびの共有を

「これからは子供たちに関わっていきたいなと思っています。一緒にお菓子作りをしたい。今まではあまりなかったけど…。ふとやりたいなと思ったんです。知り合いの子と接しているときにそう思いました」子供たちと関わる中で伝えたいこと。それは単なる知識だけではない。「日々、旬の素材や野草をお菓子にするよろこび。作る工程こそが楽しみなんです。例えば大福を作っているときの感触…。知識よりも匂いや手触りなどの五感を伝えたい」
つくる喜びの共有。その輪は広がっていく。「ゆくゆくは子供たちだけじゃなく、垣根をこえて関わっていきたいです。何をやっているかとか、健常者かどうかとか関係なく。集いをしたいですね」
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里山のあたたかな陽だまりの中で、暮らしと日々は続いていく。
(文・構成:菊池 写真:山田)


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【森里インタビュー】茂木の地で原木シイタケと森を護る 「農園ソワーズ」堀江さん【2021秋編④】

森里インタビュー2021秋編4弾。今回はしいたけの原木栽培をおこなっている「農園ソワーズ」の堀江修平さんだ。かつて茂木はシイタケの産地だったが生産者の減少にともない窮地に立たされている。両親から受け継ぎ栽培を行っている彼はどのような想いをもっているのだろうか。

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堀江修平さん
原木シイタケの現場、覗いてみた

10月某日、私たちは堀江さんのもとにお邪魔した。オレンジのつなぎ、明るい笑顔で登場した堀江さん。「いや~インタビュー受けるの初めてで…何を話したらいいのか悩むね」照れ笑いの堀江さん。明るい雰囲気で私たちを和ませてくれた。

早速原木シイタケの圃場を見せていただいた。広い畑を抜けた先。針葉樹の林の中にシイタケの原木が大量に立ちならぶ。空気がよく通り、明るすぎず暗すぎずのこの場所はシイタケにとって最適の空間だ。「一つの圃場につき毎年5千から6千くらい増やしていっています。大体5年くらいとれる。今はまだないけれど…今月伐採予定です。1・2月には種ゴマをいれます」
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茂木との縁

オンラインマルシェには初の出店だが、以前は森里マルシェ実行委員として関わっていた。出品の決め手となったのは、実行委員との縁とシイタケ、茂木への想いだった。「シイタケのおいしさを食べてもらって知ってほしい。すごく美味しいから。けれどなかなか手に取ってもらう機会がなくて」私たちが原木シイタケを目にする機会は少ない。スーパーにあったとしてもいつも端の方だ。「どうにかしなきゃ、と思っていました。そこに実行委員で関わっていた時の縁で(実行委員の)中村さんから声がかかって」原木シイタケ起死回生の一手。
茂木の地で行っていくには訳がある。

窮地に立たされるシイタケ

「昔、茂木はシイタケの産地だったけど、だんだん農家さんが減ってしまって。農家さんが減れば山を管理する人がいなくなってしまうので、山がどんどん荒れてしまう。」特別に堀江さんが管理する山にも立ち寄らせていただいた。草木が生い茂り、登るには一苦労の山。生産が盛んであれば荒れなかったであろう山。シイタケを作ることは森を護るということでもある。

出荷先のメインは市場だ。だが東日本大震災で大きな影響を受けたという。「シイタケは放射線を吸いやすいと言われていて。出荷できない時期もありました」シイタケの選別場もストップした。「生産者が自分たちでシイタケの選別をするとなるとうまくいかない。シイタケは時間が経つとどんどん悪くなってしまう。そうなると値段も安くなってしまう」悪循環が生まれていた。出荷が再開しても、厳しい放射線基準値が設けられ林業センターでの検査が必要となった。木1本でもアウトだと山全体がアウトになってしまう。

「カッコいい景色」・・・ 楽しみながら護る

それでも堀江さんはシイタケの栽培に取り組む。「木が並んでいるのってカッコよくないですか?きれいな景色を護っていきたいし…森を護ることは地球を護ることだと思います。」
屈託のない笑顔で語る。「将来はワークショップもやってみたいですね。木を切るのって楽しいから。楽しみながらやっていけたらいいなと思っています」
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茂木のシイタケの現状は正直明るいと言い切れない部分がある。けれど、それでも、堀江さん想い描く未来は明るい。
(文・構成:菊池 写真:山田)

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【森里インタビュー】十羽十色のニワトリたちと「なかむら農園」中村さん【2021秋編③】

森里オンラインマルシェインタビュー企画2021年秋編第3弾。
今回は自然養鶏の「なかむら農園」の中村愛さんだ。人間と実はとても似ている部分があるというニワトリたち。今回も沢山お話してくださった。

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「なかむら農園」中村愛さん
変化

10月某日、私たちは中村さんのもとにお邪魔した。前回インタビューしてから4か月。何か変化はあったのだろうか。「ニワトリにあげるために鶏舎周りに植えたヘチマがかなり成長してしまって···まるでジャングルです」中村さんが苦笑する。恐るべし、植物の成長···!!
鶏舎外部の変化は大きい(?)が、作業自体に大きな変化はないという。
「ある程度大きくなければそんなに手がかからないというのもあって。ただ1週間に一度えさの調達があるので、それは力仕事ですが···」作業の流れに変化はないが、ニワトリたちが食べるものには新たなこだわりがある。「真岡市にあるお豆腐屋さんの豆三さんのおからを餌にまぜたり、崩れた豆腐をあげるようになりましたね」これまでも松原さんから頂いた野菜くずや、竹粉、牡蠣殻をブレンドしオリジナル発酵飼料を使ってきた中村さん。新メニューはニワトリたちにも好評なようだ。
「おから、もみがら、カボチャの葉っぱ···ニワトリみんなそれぞれに食べ物の好き嫌いがあるけれど、なぜか豆腐の崩れたやつはみんな大好きなんです。半日でなくなることもあります」
ちなみに作業が一番忙しいのは春先だそうだ。
「雛を入れる時期なので、とんでもなく忙しくなります。雛はけがをしやすいから頻繁に見に行きますね。けがをしている子に対して、他の子たちに集中的に突っついてしまうんです。治りも遅くなってしまう」

人間とそっくり!?

ニワトリは実は人間にとても似ている。食べ物に関してこんなエピソードを伺った。「小さい子のほうが、好き嫌いが少ないんですよね。とにかく興味津々でいろいろ食べるから。大人になっていくにつれて好みがはっきりしてくる」に、人間っぽい···!!私たちも小さい時ほど物怖じしない。体つきの差はどうだろうか。「体つきに差はけっこうあります。でも体が大きいからといって必ずしも卵を沢山産むというわけではなくて。小さくても産んでくれる子はいます。」集団のなかの過ごし方はどうだろうか「リーダーの子はいます。でもその子がずっとリーダーというわけではなく、その子に挑む子もいて。リーダー争いはしよっ
ちゅうやっています(笑)」やっぱり、人間っぽい···!
地鶏に比ベ気性が穏やかといわれているボリスブラウン。しかし、気性が荒い子は荒い。十人十色ならぬ十羽十色(?)販やかな毎日が鶏舎の中で繰り広げられている。

里山の課題とこれから

一方で課題もある。イノシシやハクビシンとの付き合い方だ。この4か月間の間も、ハクビシンに襲われてしまい、羽数が減少してしまったという。「里山で(イノシシやハクビシンと)共生していくことは大事だと思います。でもある程度頭数を減らす必要性も感じています。里山の課題ですね」また養鶏に関する課題についても教えてくれた「ここのところ産卵率が落ちてしまっているんです。6月に比ベ半分くらい。なぜそうなるのか現在研究中です」
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里山の暮らしの中で研究は続いていく。

(文・構成:菊池 写真:山田)

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【森里インタビュー】「ポンッ」から広がれ!八雲神社小堀さんの想い【2021秋編②】

森里マルシェインタビュー企画2021秋編第2弾。今回は茂木町の中心地八雲神社宮司を務めている傍ら、自らお米やサツマイモを栽培する一面も持つ小堀真洋さんである。
すっかり秋となった10月のある日、私は八雲神社に向かった。小堀さんは、マルシェの実行委員長でもある松原さんと共にポン菓子作りのテストをするという。私もそこに同行させてもらった。

宮司さんがポン菓子を。新たな挑戦

神社の宮司でもある小堀さんがポン菓子を作るきっかけはこのマルシェだった。里山のお米を盛り上げたい。無農薬で作られた町内の安全なお米をみんなに楽しく食べてもらいたい。マルシェの実行委員のあいだで挙がった意見に小堀さんが動いた。自ら栽培したお米や仲間で作ったお米を使ってポン菓子を作ることにしたのだ。「ポン菓子を作ると地元のおじいちゃん、おばあちゃんの励みになるんですよ。孫たちが喜んでくれるし。」「無農薬のお米で作れば、地域の人々のためにも、マルシェとしてもいいんじゃないかって。」小堀さんと松原さんの会話が弾む。

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小堀さん(写真左)と松原さん(写真右)

ポン菓子から広がる会話

ポン菓子を作る機械のメンテナンスを済ませ、試しにと奉納されたあとの玄米を機械に1升入れる。しばらくすると、急に音が鳴り始めた。「行きますよー!」近隣の人に大きな音が鳴る合図を送る。そして、専用の道具で思いっきり叩くと・・・
「ポンッ!!!」
破裂音が境内に響き渡った。香ばしい匂いと共に大量のポン菓子が姿を見せた。勢いのあまり、ポン菓子は籠からあふれ出した。出来上がったばかりの温かいポン菓子をいただくと鼻から玄米のいい匂いが通る。砂糖をまぶしていなくてもおいしい。栄養満点の素材の味を生かしたポン菓子の出来上がりだ。
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取材を続けていると参道を進む家族が、何をしているんだろうか、とこちらに目を向ける。「こんにちは」と挨拶を交わしたあと「ポン菓子いかがですか」と松原さんが勧める。「ポン菓子懐かしい~!子供のころ叩かせてもらったことがあるんです!」「近所でよくポン菓子やってました!」と参拝者のお父さん、お母さんが思い出を語る。そして「どちらから参られたのですか?」と小堀さんが話しかけたり、「茂木町内でおすすめの場所ありますか?」と参拝者がたずねたり、ポン菓子をきっかけに会話がどんどん広がっていく。

宮司として。小堀さんの想い

コロナウイルスが流行し、現在では八雲神社でのお祭りのようなマルシェの開催が困難になってしまった。本来であれば新米の収穫が始まったこの時期、八雲神社境内で開催される森と里のつながるマルシェでもポン菓子がふるまわれるはずだった。お母さん世代の中にはポン菓子の熱烈なファンもいるんだとか。「コロナが流行る前までは、マルシェの日以外でも秋や冬の時期は毎月やるんです。案内もして。案内を見てきてくれたり参拝しに来てくれた人たちも立ち止まってくれる」ポン菓子が人と人をつなげる役割となっていたのだ。さらに小堀さんは続ける。「もともと茂木に住んでいる方々と実行委員が交流できる機会になればいいな。マルシェの人々や移住してきてこれからという人が知り合いを作ってたまにはマルシェで買い物しようかなって、広がる場になってくれればいいなと思っています。」小堀さんはこう語ったが、全てがうまくいっている訳でもない。マルシェの実行委員の人々は農家や公務員など生業の傍ら実行委員を務めている。それ故、思うようにいかないことも多々あったそう。「でもゆっくりやっていこうかな、って思っています。」と小堀さんは前を向く。
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人と人との交流の場としてマルシェを。八雲神社を。小堀さんの挑戦は続く。

(文・写真:山田)

★オンラインマルシェ開催期間:10/23(土)~11/7(日)・発送:11/12(金)を予定
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森と里のつながるマルシェHP
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