インタビュー企画第2弾。今回は後郷地区で自然養鶏を営む「なかむら農園」代表で、3児の母でもある中村愛さんだ。生理・生態に配慮した環境でニワトリを育てる彼女はどのような想いを抱いているのだろうか。
貝塚?竹粉?地域循環型養鶏を覗いてみた!
6月某日、私たちは「なかむら農園」へと足を運んだ。庭先に車を止めようとしたその時、あるものが目に飛び込んだ。謎の白い物体の山だ。がれき?いや貝塚??これは一体何だ・・・??頭の中にはてなマークが埋め尽くされようとしていたその時、中村さんが笑顔で出迎えてくれた。
早速、鶏舎におじゃました。木製のハウスだ。「実はこのハウスは主人の手作りなんです。ハクビシン対策も兼ねています。半年かけて完成しました」中ではニワトリたちがのびのびと過ごしている。平飼いのため、ニワトリたちが歩けば自然と土がかき混ぜられる。人の手を加えずとも、自然にたい肥工場となるそうだ。餌は茂木町のリサイクルセンターである「美土里館」の竹粉を用いたオリジナルの発酵飼料だ。米ぬかや松原さんから頂いた野菜くずもブレンド。殻を強くするために気仙沼直送の牡蠣殻を飼料にまぜることもあるそうだ。(謎の白い山の正体は牡蠣殻!)地域循環型の養鶏の姿をかいまみることができた。
ニワトリとの出会いは突然に
愛情深くニワトリを育てる中村さんだが、実は最初から養鶏に興味があったわけではない。きっかけは些細なことだった。「主人が美土里館に勤めているころに『まほろば農園』の仲澤さんに出会いました。当時竹粉を使った養鶏を行っていたのはそこしかなくて。後々でいいから残せるといいよね、とは話していたのですが…まさかこの歳で始めるとは思っていませんでした」偶然の出会い、地域や人とのつながりから新たな物語が生まれる。
夢は大きく!
「いつかは町内の飲食店で使う卵をうちの卵にしたいという夢があります。課題はたくさんあるけれど、夢は大きく」笑顔で中村さんは語る。「循環できる町を作りたいですね。美土里館もあるし、松原さんからお野菜もいただいたりしていて。地域の人もあたたかくて。地域の良さを生かしたいです」茂木町のこれからにも精力的な中村さん。3人の娘さんの存在は大きな支えとなっている。「彼女たちの為でもありますし、彼女たちがいるから頑張れます。子供は未来を担う存在。そのためのベースづくりをしてあげたいな」
養鶏農家として、そして母として挑戦は続く。「食育インストラクターの資格も取得しました。命の教材は身近にあるので、生かしたいなと思って。産まなくなったメンドリをただ潰すのは嫌だし、見合った形で最期を迎えさせたいという想いもあるので。そうしたことも通じて子供たちへ‘‘いのち‘‘について伝えていきたいです」
いただいた卵で卵かけごはんをつくりました。おいしい。
最初に卵かけご飯を生み出した人と握手したい。そしてなかむら農園さんの竹粉卵をお薦めしたい。
(文・構成:菊池 写真:山田)
なかむら農園さんの竹粉卵もあります。オンラインショップはこちら!
morisato-m.jimdofree.com
開催期間:6/26(土)~7/10(土)