森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー③】里山でミツバチとともに!みつばちはあと 町井さん

インタビュー企画第3弾。今回は小深地区でニホンミツバチを飼育し、「ニホンバチが住める里山を育てる会」「茂木日本ミツバチの会」の会長も務めている町井久夫さんだ。希少なはちみつを採蜜時そのまま(非加熱)の状態で届けてくれる。沢山の愛情をニホンミツバチに注いでいる彼はどのような想いをもっているのだろうか。

f:id:morimaru2014:20210626092606j:plain
みつばちはあと 町井久夫さん
里山でミツバチダンス!

6月某日、町井さんのお宅におじゃました。いつお会いしても素敵な笑顔だ。私たちは普段農業経済学を学んでいるが、ニホンミツバチについて学ぶ機会はほとんどない。特別にミツバチの巣箱を見せていただいた。撮影をしていると、町井さんに「耳をすませてごらん」と声をかけられた。ブンブンブンブン。頭の上の方でミツバチの大きな羽音が聞こえた。目を凝らしてよく見ると、サンゴジュの木にニホンミツバチが飛び回っている。約200~300匹のニホンミツバチがサンゴジュの花の蜜を集めているのだ。

守るべきものたち

茂木に古くから住んでいる町井さん。飼育のきっかけは危機感だった。「どんどん数が少なくなっていたんです。何とかしなきゃいけないなあ、と思って。試しに巣箱をおいてみました」設置した次の日、ニホンミツバチは町井さんの巣箱へやってきた。当時はかろうじて、ミツバチたちが飛び回っていたが、庭先に仕掛けてもここ数年は入ることがないという。山に箱を20個しかけても、そのうちの1個に入り込むかどうかだそうだ。近年、農薬が及ぼす人体への影響が危惧されているが、ミツバチに与える影響も大きい。なんと散布場所から風下4kmはミツバチにとって危険範囲。多くのニホンミツバチの命が奪われている。

店先に並ぶはちみつの処理の仕方にも危機感を覚えたそうだ。「みんな加熱してるんですよね。消費者は商品の変色や発酵を嫌がるから」けれどそれは、乳酸菌が死んでしまうということでもある。「すごく勿体ないなと思って。乳酸菌が沢山はいったはちみつを皆さんにそのまま食べてもらいたい」声は穏やかだが、‘‘ニホンミツバチを守る‘‘その意志の強さは誰にも負けない。

いざ実食!

ご厚意ではちみつの試食をさせて頂いた(ちなみに東京で買おうと思うと、倍以上はするそうだ…ぜ、贅沢…!!!)。ヨーグルトの上にはちみつを垂らす。はちみつの優しい甘さのなかにほんのすこしの苦味。ヨーグルトの甘酸っぱさと相性抜群だ。里山で過ごしたミツバチたち。豊かな自然の中で様々な花の蜜を集めたからこそのふくよかな味わいだ。

里山ニホンミツバチと共に暮らし、ニホンミツバチが住める里山を創る。
町井さんの深い愛情と挑戦はこれからも続く。
f:id:morimaru2014:20210626092611j:plain

はちみつを食べる時って、しあわせな気持ちになる。
100エーカーの森の住民たちにもおすすめしたい。
(文・構成:菊池 写真・構成協力:山田)

町井さんの非加熱ハチミツもあります。オンラインショップはこちら!
morisato-m.jimdofree.com

開催期間:6/26(土)~7/10(土)