森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】竹粉を使った養鶏から地域循環を生み出す~人の輪から地域の持続可能性を~【2022冬編①】

森里インタビュー企画2022冬編第1弾。
第1弾は養鶏を営む中村農園の中村さんへのインタビューです!
今回が第3回目となる中村さんへのインタビューでは、中村愛(なかむらあい)さん自身にスポットライトを当て、生い立ちから農業を始めたきっかけ、そして中村さんの今後の展望や目標などをお聞きしました!中村さんという1人の生産者・1人の人間に迫るインタビュー内容となっております!ぜひご覧ください!それではいってみましょう〜!
(前回のインタビューはこちらから)

動物好きな中村さん

子供の頃から動物が好きだった中村さん。インコやニワトリ、猫などたくさんの動物に囲まれて育った幼少期からその気持ちは高校入学時まで変わることなく、動物関係の仕事をしたいと思い、農業高校に入学。生物工学を学び、高校卒業後は食品会社に就職しました。その後、高校時代からお付き合いしていた旦那さんと結婚し、「子育てできればいいよね」という気持ちで9年前に茂木に引っ越してきました。

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中村さんとにわとり
養鶏を始めたきっかけ

そんな中村さんが養鶏を始めたきっかけは、竹を粉状にして乳酸発酵させ、エサに混ぜたり、肥料にしたりして利用する「竹粉(たけこ)」を使った養鶏を繋いでいこうという想いでした。中村さんの旦那さんが以前からお仕事でお付き合いのあったまほろば農園の仲澤さんという方から教えを受けながら、使う人がいない竹粉を繋いでいきたいという気持ちで、5年前、養鶏に関する知識も設備も何もない状態から、鶏にストレスがかからないようにと、鶏舎の内側から外を見ることができるように設計したこだわりの鶏舎を、なんと旦那さんが一から手作りで作り上げ、その心のこもった手作り鶏舎から、中村農園の養鶏が手探り状態でスタートしました。

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こだわりの手作り鶏舎
竹粉とは…? 地域理解を得るために

竹粉の良いところは、エサに混ぜることで鶏の腸内環境が良くなるとともに、家畜の匂いを抑えられるという点と、竹林の侵食が進む里山における竹の有効利用ができるという点、そして町内の竹を利用し、町内で竹粉に加工し、町内で利用するという「地域循環」が発生するという点であるとおっしゃいます。私も鶏舎を見学させていただきましたが、その際、一緒にインタビューを行ったもう1人の学生と思わず顔を見合わせてしまうほど、匂いがしませんでした…。
この匂い問題は、近隣の地域住民の方々も気にするところだったそうで、養鶏を始める際に「養鶏は匂いがきついからやめてほしい」という声もあったそうです。そうした中で、匂いの抑えることのできる竹粉を飼料に用いたことは、地域理解を得るためにはとても有効でした。

始めたての頃の話 人の輪の大切さ

初めから一気に50羽を飼育することになり、たくさん卵を生むけれども売り先がなく、自分では道の駅と週2回JAの直売市に出品する程度で、仲澤さんが売るお手伝いしてくれました。そんな中、売り先が広がるきっかけとなったのが、この森と里のつながるマルシェへの参加でした。そして同時にそれは地域の方々との輪が広げるきっかけでもありました。売り先だけでなく、お裾分けをし合うような仲間ができ、人の輪が広がっていくことを実感し、充実した日々を送っていました。その矢先、コロナウイルスによる未曾有の事態が発生。その影響により対面でのマルシェは開催できなくなり、道の駅も閉まってしまったため、売り先が少なくなり、売り上げが下がってしまいました。そして対面でお客さんに自分の想いやこだわりを伝えることができ、そしてお客さんの定着が見込める場であるマルシェがなくなったのもとても大きな痛手でした。
しかし、このコロナ禍がかえって「今までの経営を振り返り、目先だけでなく長い目で物事を見る」ことの大切さに気づく良い機会になったとおっしゃいます。「地域循環と地域の持続可能性を今一度考え、長い目をもって、より良い経営をしていくためにもっと本を読み、実践していくこと」これが今後の目標であると言います。

自然と仲間が増える町 茂木

茂木は「自然と仲間が増える町」であると中村さんは言います。にわとりが鶏舎から脱走した時や、養鶏を始めたてで何もわからない時、近所の方々は温かい目で見守り、手を差し伸べ、応援してくれました。そして、マルシェでつながることのできた生産者の方々とも、コロナ禍でお互いに大変な状況にあっても手を取り合い、助け合うことができました。とにかく人が温かい。そのことが中村さんの言葉の端端から伝わってきました。
このような人の輪が個人同士から地域、町の規模へと拡大していくことこそが中村さんのおっしゃる「地域の持続可能性」を高め、「地域循環」を助長するのではないのでしょうか。

最後に

卵の殻の色はにわとりの羽の色で、卵の黄身の色は食べるものによって変わるってみなさん知っていましたか?私は初めて知りました!おもしろいというか不思議ですよね…。ちなみに、平飼いなのでカエルや虫も食べるそうです。カエルを食べたら黄身はどんな色になるか、気になりますよね〜。カエルを食べるとにわとりの体つきが良くなるだけで、黄身の色の変化には影響を与えないらしいです!生命の神秘とでも言うのでしょうか、すごいですよね…。
私たちが普段何気なく口にしている食材がどんな過程を経て、私たちの口に運ばれているのか、知らなくても何も困らないけれど、そういったことを知ることで何気なく行っている食事も日々の楽しみの一つになるのではないかな〜なんて中村さんのインタビューを通して思いました!
竹粉で育った鶏の卵の黄身の色は一体何色になるんでしょうね〜?ぜひお手にとってご自身の目で確かめてみてください^ ^

また、里山において深刻な問題の1つとされる竹林の侵食を、竹粉という有効的な使い道で解決していくという話もとても興味深かったですね。
そして「農業高校で学んだことが今になって気づいたら生かされている」と中村さんがおっしゃっていたことも印象的でした。昔、何気なくやっていたことが、実は今と強くつながっている、ということを体現しているのがまさに中村さんだなあと思います。

今、私が大学で学んでいることも、インタビューでお聞きしたお話も、このインタビューを通してできた人の輪もいつか何かにつながればいいな〜なんて思いました!何かにつながる…?あれ?つながるマルシェ…。ってそういうこと!?(構成・写真:西山ゼミ3年林)



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