森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【森里インタビュー】"No Farms No Future"半農半研究者として  宇都宮大学農学部西山先生【2021秋編⑦】

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西山先生と3年生

今回も新しく、森と里のつながるマルシェ実行委員に関わらせていただく宇都宮大学西山ゼミの 3 年生 3 名が執筆いたします!!どうぞよろしくお願いいたします。 上の写真に写っている「No Farms No future(農業のないところに未来はない)」という言葉は、西山先生が海外に調査に行った際に目にし心惹かれ、それから西山先生の研究理念を発信する際のキャッチフレーズとなりました。手に持っているステッカーはゼミの学生がデザインしたもので、この言葉に賛同してくれる人にお配りし、理解を広めています。

2021 秋編第7弾目となる今回は、宇都宮大学農学部で持続的な社会や女性の参画など多岐にわたる社会問題を農業の視点から研究されながら、森里マルシェ実行委員のメンバーでもある西山未真先生に、なかなか知ることのできない先生ご自身の事に注目してインタビューを行ないました。
西山先生は 2020年に益子町に移住し、最近は研究の傍ら自宅で農業をはじめ、半農半研究者として自分らしさを大切に生活しています。そんな先生の農ライフを3名の学生の視点から、少し時間を遡りながら覗いてみましょう。

「高校卒業後大学に入学しましたが、やりたいことが見つからず、消極的な自分にもどかしさを感じていました」そんな西山先生はそこからどのように農業経済学と出会うのでしょうか。

農と自分自身のつながりを知った学生時代

講義で公害のブーメラン現象 *1を学んだことが、農業経済学に関心を持つきっかけとなりました。公害のブーメラン現象から農業問題が自身に直接かかわることだと気づき、これまで遠い存在と感じていた農業をもっと知りたいと思い大学院進学を決意しました。      
修士・博士課程はやりがいがあって楽しかった」と先生は語っています。フィールドワークを重ね、時には泊りがけで調査を行ったそうです。机上では人の温かみや地域性に触れることができません。

先生がゼミでフィールドワークに積極的なのは地域の現状を調査しながらその副産物として講義では味わえない人と人との交流を体感できるからでしょう。 (小林)

藍と綿から! 女性農業プロジェクト

西山先生は移住後、森と里のつながるマルシェを通して出会った女性 2 名と共に女性農業プロジェクトを立ち上げ、里山暮らしを楽しんでいます。このプロジェクトは立ち上がったばかりで試行錯誤を重ねている最中ですが、西山先生ら 3 名は藍と綿の栽培に励みます。なぜ藍と綿なのか尋ねたところ「藍と綿は収穫後、お茶・リース・糸などへの加工の幅が広く、色んな手仕事につながるから」と仰っていました。また「心身にハンデを持った方々の自然に触れながらの手仕事の場にもなる」と様々な立場の人の手仕事の場としての可能性も展望しているようでした。

西山先生自身が里山生活を送り、半農半 X という新しい生活スタイルを選択しイキイキしている姿をみて、西山先生は講義中だけでなく実生活も農に生き、自分らしく生きている女性なのだと感じました。

私も将来は西山先生のように農業をしながら自然と共に暮らしたいな、なんて想像を膨らませています。(鈴木)

地域と深く関わるために

西山先生は現在、この森と里のつながるマルシェや子供食堂などの活動を通じて、茂木町、益子町と深く関わり、地域の課題を見つけ、改善することに尽力しています。また、研究者としてもこれまで全国各地様々な地域を巡り、調査をし、その地域と地域に住む方々との関わりを持ってきました。そのようにして様々な地域との関わりを持ってきた西山先生が、地域の方々と関わる際に何を大切にしているか、を聞いてみました。

西山先生が大切にしていることは「『自分のため』を通して『地域のため』になることをする」ということです。自分のために何かをして、それが結果的に地域のためにもなったらそれは理想的であると先生はおっしゃいます。自分と地域の目的・目標が一致、もしくは同じ方向を向くと、それは必然的に達成される。そのため「自分の目的・目標をはっきりさせること」も大切であるとおっしゃいました。
そしてもう一つ大切なことは「地域の問題は自分の問題でもあるという、当事者意識を持つ」ことです。自分もその地域に住む1人の住民であり、その地域を構成する一員であることを意識することで、自分の住む地域の課題や良いところをより身近に感じることができるのではないでしょうか。

私たち西山ゼミの3人は、この先いろんな地域に出向いて調査をし、地域の方々と関わりを持つ機会が増えていきます。西山先生と茂木町・益子町の関係のように、私たちも地域と深く関われるよう、まずはこの森と里のつながるマルシェから私たちの歩みを始めさせていただければなと思います。(林)

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インタビュー風景

今回のインタビューでは、1 人の人間としての西山先生を覗かせて頂きました。インタビュー後、綿畑を拝見しましたが西山先生はまるで少女のような笑顔で綿を手に取り、「こんなのが成るんだよ!ほんとにすごいよね!」と見せてくださいました。先生と生徒の垣根を超えて、これからはもっと仲良く、農について学んでいきたいです!!
(構成:鈴木 写真:山田)

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*1:日本では無認可の農薬を使用して途上国で農産物を生産し、それが日本に輸入される現象。