森と里のつながるマルシェ

土に根ざした暮らしを見つめ直すオーガニックマルシェです(開催場所:栃木県茂木町)

【新嘗祭】-八雲神社から森と里のつながるマルシェ関係の皆さまへー 令和5年11月

 今回の森と里のつながるマルシェは、古来より収穫を祝うこの新嘗祭当日に開催されます。命を育み歴史や文化を育ててきた稲作や、わが日本国や茂木町の歴史や先人に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

日本人なら知っておきたい「新嘗祭」と「勤労感謝の日

 今年10周年を迎える、茂木町で開催される森と里のつながるマルシェは八雲神社境内で行われてきました。昨年より11月23日「勤労感謝の日」に合わせて開催されています。大変意義深いことと感じています。飛鳥時代から行われる「新嘗祭の祭日」が、戦後に名前を変えて「勤労感謝の日」の祝日となりました。八雲神社でも新嘗祭の日として縁の深い日です。
 天皇陛下のお住まいになる皇居では、11月23日になると、毎年「新嘗祭」が行われています。天皇陛下は、総理大臣・国会の議長・最高裁判所長の「三権の長」を招かれて、皇居内のお宮で新嘗祭がおこないます。全国各地の神社で行われる「秋まつり」は、「五穀豊穣・地域安寧・家内安全の感謝の気持ち」を地元の「氏神さま」にお伝えする「新嘗祭のこころ」がこめられています。
私たち日本国民は「新嘗祭」という共通の行事を通して、皇室はもちろん、全国の神社や氏子さんとつながりを持ちます。そして、生産や収穫に互いに祝い、感謝しあうのが、本日の祭日の意義でしょう。

稲作と神社

私たちの住まう日本は古来、稲作を中心に暮らしが営まれてきました。
 日本国が日本国である由来は古事記日本書紀(以後、「記紀」と称します)に記されています。記紀には神々が登場するので歴史書というよりは神話として認識されている方が多いのですが、功績が著しい人を神格化して表現されているともいえ、そのような読み方をすると記紀は歴史書としての役割もあるのです。
 記紀には天皇陛下の祖先が稲穂を以て国を統治するように神々から諭される様子が記されています。天皇陛下の後、祖先は稲作を盛んにすることで民の暮らしを支え、安らかな生活を目指しました。そんな皇室を中心とした国造りが行われてきたことが記紀に記されているのです。
 稲作は水田になり、広大な土地を水稲栽培のために田としました。日本人の都合の良いように自然を造りかえてきましたが、2000年以上の間、季節毎に沼地と干地を交互に造り替えされることにより、その水田には多様な生物が息づいて、里山や奥山の自然と相まって多くの動植物が育まれるようになりました。日本人は水田開発を通して自然との共生を実現してきたのです。
 古来、日本人は稲作と通して得られる様々な恩恵に畏敬の念をもち、それが自然崇拝となり、以後は神の社を建て設け祭を行ってきました。日本国を統治する皇室でも古くから祭が行われ、その様子は記紀をはじめとする古典に記されています。

天皇陛下の稲作と新嘗祭

稲作を精米し、酒を醸し、様々な食物と共に神に供える秋の新嘗祭は重要な祭とされてきました。現在でも天皇陛下は皇居の宮中三殿といわれる神社にて新嘗祭を行い、天照大御神をはじめとする神々に新穀をお供えするのです。昭和天皇以降、陛下は自ら御田植えをされ無農薬で栽培された稲穂を自ら刈り取られ、新嘗祭にお供えされるという、より丁寧な新嘗祭を陛下自ら齋行されています。陛下はその祭典が終わるまでは新穀を召し上がらずに過ごします。

神社で行う「新嘗祭

 皇室の氏神さまとされる伊勢の神宮はじめ日本国中の神社でも新嘗祭が行われてきました。現在、勤労感謝の日とされる11月23日は新嘗祭の祭日でした。現在も全国の神社では新嘗祭が行われます。
皇居で行われる新嘗祭天皇陛下のもと三権の長が参列し、23日午後2時半から翌午前1時頃まで行われます。
伊勢の神宮では、豊受大神宮(外宮)で午前4時と午前7時に、皇大神宮(内宮)で午前11時と午後2時に行われます。
八雲神社でもこの日には氏子の代表の総代が参列し新嘗祭が行われており、午前10時から開催いたします。

◎第13回 森と里のつながるマルシェ◎
開催日:2023年11月23日(木・祝)
開催時刻:10:00~15:00
場所:茂木町八雲神社境内
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